運命の再開
「バルトロメオ様?!」
ドーン、と。右手が自動的にナニカを弾き飛ばした気がしたけど、そんなことどうでもいい。
「うそ、やだっ・・・あたしこんなお仕着せのセーフクで・・・お化粧もしてないのにっ」
「お前・・・あの地獄をどうやって生き延びた」
”キミ”から”オマエ”に親近感一気にグレードうp!!!
あまりの多幸感に漏らしそうになってしまう。
「あたしのコトなんてどうでも・・・ロメオ様こそ生きてらしたんですね!王女殿下が煮えてたから絶望視してましたのに」
まるで射殺すかのようなロメオ様のキツイ眼差しがあたしに照射されてる。
ギンモヂイイッ!!!!!!!!!!!!!!
もっと刺して!射殺して!!
発情したブタのように鼻息も荒くもフラフラとロメオさまへと歩みをすすめる。
「止まれ、それ以上近づくな」
止まる。
「・・・次はこの学園を・・・いや、この国を滅ぼすつもりか。エステ侯爵は大陸の人間を皆殺しにするつもりか」
ああ、なるほど。
前のはともかく、今回はそんな皮算用があんのかも?
「そのようなお言葉は預かっておりませんし、侯爵閣下の胸のうちなどわかりようも御座いません。それにあたしにそんな企らみ無いですよ」
「わかるものか」
「そもそも滅ぼすつもりなら今も彼方にある石くれを2,3個落すだけの話。このような、中で寝れるほどの衣装箱を引き引き徒歩で現地へと訪れる必要がないコトはロメオ様自身お察し頂けるはず」
「・・・そういえばあの時、クズ星といいつつ落としたのは太陽だったな。おまえ、自らの力を制御できぬのではないか?」
「アレは空のゴミみたいなもんで、全然太陽じゃないですよ」
この世界にはいびつな月が浮かんでいる。
んー・・・しかし前世でも太陽て大地の百倍じゃきかないくらいの大きさがあったんだけど、なんて説明すればいんだか・・・はっ?!
「そっ、そんな些末事より一緒に学園内でも見物しませんか?ちょうと詳しそうな下男・・・じゃなくて案内人がおりますのよオホホホホ」
危ない、男子お得意の実のない意味不明議論に巻き込まれるところだった。
隣に立ってるはずのバルドの袖をつかもうと右手をワキワキさせるが空ぶる。
ん?
バルトロメオ様の御姿から未練いっぱいに視線を引き剥がすと、そこにバルドの姿は無く、数メートル離れた植え込みから足とブーツが生えていたのであった。