最後に
最後に
この物語は、多くの犠牲者の上に成り立っている。どんな物語にも、犠牲はつきものだ。偉そうな教訓を語るために、罪のない誰かを平然と殺したりする。それが物語の現実だ。
ここに始まった物語は、多くの犠牲を生み出しながらも、みんなを楽しませそうと必死になっている。
物語の概要はこうだ。銀行強盗と刑事の追っかけっこ。ヤクザと愛人の揉め事。その二つが交錯し、それぞれの主人公が衝撃的に恋をしてエンディング。よくある古いニューウェイブ映画のよう。そんな物語が僕は今でも大好きで、これからも生み出していきたいと思っている。この物語は、その序章と位置づけられるのかも知れない。
よくあるアクション映画をちょっと違う角度から見てみたい。それがこの物語。犠牲者側の、ちょっと退屈だけど、魅力ある小話の連続。これが物語の裏にある真実だと感じてくれたら嬉しい。僕はそのために、多くの犠牲者を生み出した。これからもきっと、犠牲者は生まれていく。
この物語は、これからも続いていく。隠された物語もまだまだ存在する。世界中は物語に溢れている。毎日のその一歩が物語の始まりであり、分岐点でもあり、クライマックスでもある。人がそこにいるだけで、背景に存在する物語。
終わることのない物語を、僕はこれからも書き続けることだろう。死んでしまうまで。死んでからも。この世界から物語が消えるまで。
どうか物語を消さないで欲しい。この世界は、数えきれない物語によって成り立っているのだから。




