表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/83

3

 俺は今まで死んだ後のジェームスディーンのようにちやほやされていた。生まれたときからずっとそうで、自分の特別さに気がつくこともなく大人になった。子分共に慕われているのも当たり前だと思っていた。武闘派のあいつにしても同じこと。俺はいいように利用していただけだ。それでいいんだ。俺はそういう存在なんだ。

 けれどあいつは違っていたはずだ。俺を普通の男と感じていた。正体がバレてからも、普通に接してくれた。俺ってちっぽけなんだと、あいつといるといつも感じる。だからあいつは、刺激を求めたのか? あいつはまるでノーマジーン。

それにしても今回はやりすぎだ。

 俺はあいつを追いかけ、車を奪った。あいつがしたことを真似たまでのこと。あいつも車で逃げている。どうする? このまま突っ込んで殺してしまうか? 俺はもう、我慢はしたくない。

 我儘放題と思われているこの俺だけど、生まれてからずっと我慢し続けてきた。わかるだろ? ヤクザの一人息子なんて最悪だ。街を歩けば子供の頃から厄介者扱い。学校では先生共から煙たがられ、同級生や上級生からは妙な憧れを抱かれる。親父や親父の取り巻きは、俺を跡目にしようと必死だった。俺には、生まれたときから自由なんてなく、常に誰かの視線にさらされ生きてきた。最悪の人生だ。俺は俺を偽り、我慢をする為に生きてきた。ヤクザの息子を演じるのは、辛いんだよ。

 あいつだけが俺の自由だった。あいつといるときの俺は、自然だった。素の自分で居られるのは、あいつといるときだけだ。特にはなにもない女だけど、隣を歩いているだけで幸せを感じる。手を繋いでいてもいなくても、あいつは笑顔で俺の側をふらつくんだ。自由な女。俺も自由になれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ