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ACT3サイドストーリー 助手

第26話より

テイに紋章を埋め込めてもらうことになったイザホとマウは、紋章研究所の会議室で待っていたが……

「だあーーっ!!?」




 どこからか悲鳴が聞こえてきた。


「……?」「今のは!?」


 クライさんはゆっくりと、スイホさんは声を張り上げて、悲鳴が聞こえてきた方向に顔を向ける。

「今の……アグスさんだよね……!?」

 マウが耳をピンと張り詰めてワタシを見る。

「あの方向はたしか、資料室のはずだ……よし、このフジマルが見に行こう!!」


 フジマルさんは勢いよく席を立つと、会議室の出入り口の扉に向かって行こうとした。


「ねえイザホ……ボクたちも探偵助手として、ついていったほうがいいかな?」











「こ、これは……!!」




 マウとフジマルさんとともに資料室に向かった先で見たもの……


 それは、本棚と本棚の間の通路で、倒れた脚立と大量の本の下敷きになっている誰かの姿だ。

「あ、あのー、助けてくださいっす……」

 本から出ている太い手が、降参するように床をたたいている。もしかして……

「……どうしたの? アグスさん」

 マウがとことこと前に出てきて、下敷きになっているアグスさんにたずねる。

「高いところにある必要な資料を取りだそうとしたら、ついバランスを崩してしまって……そんなことよりも、早くどけてくださいっす」

「よしわかった! イザホ! マウ! 一大事になっているアグスを救出するぞ!」




 3人で協力して、倒れた脚立とたくさんの本を取り除き、アグスを救出した。

「いやー、申し訳ないっす。俺っちの不注意でこんな手間をかけさせてしまうなんて……」

「だいじょうぶだ! 私には優秀な助手がいるのだからな!」

 フジマルさんはワタシとマウに目を向けてきた。

 なぜだか、目をそらしたくなっちゃった。褒められてうれしいはずなのに。マウもワタシと同じように、背中に手を合わせてもじもじしている。

「助手かあ……それと比べて俺っちはぜんぜんダメな助手っすね。テイ先生のために頑張ろうとしても、こうやってドジを踏んじまうっすから」

「いや! そんなことはない! 君はさっきテイの代わりにウアの検視結果をわかりやすく説明してくれた! テイだってアグスのことは信頼しているに決まっている!!」

「そ……そんなもんっすかね。あはは……」


 アグスさんは頭をかきながら笑っている。けど、どこか安心しきっていないような表情だった。


「そういえば、この散らかった本……手伝った方がいいかな?」

 マウは床に落ちている本の1冊を手に取った。

「みんなでやれば早く終わる! 我々もこの散らかった本を……」

「ああ、いいっすいいっす! あとが俺っちがやりますよ! テイさんは特に散らかっても気にしないので、最悪、後でやればいい話ですし」

 フジマルさんの申し出に、アグスさんは両手の手のひらを見せて断った。

「そうか……よし、それならばイザホ! マウ! 我々は一度スイホとクライが待つ会議室に戻っていよう! ふたりはこの後、テイから呼び出されるかもしれないからな!」


 フジマルさんは立ち上がると、出入り口の扉に向かって歩き始めた。

 後ろではアグスさんが床の本を元の場所に戻し始めている。

「イザホ、ボクたちも戻ろうよ」

 うん。わかっている。ワタシはその場から立ち――




 ――上がらずに、床に落ちているものを拾い上げた。


「!!」


 出入り口の扉が閉まる音とともに、アグスさんの手が止まった。


「イザホ? もうフジマルさん行っちゃったよ。ボクたちも早――」


 床に落ちていたもの……写真を見て、マウは固まった。




 その写真には、テイさんの横顔が写っている。それもかなり近い。


 床をよく見てみると、他にも何枚か写真が落ちている。みんな、それぞれ別の角度から撮ったテイさんだ。




「……よく、撮れているっすよね」


 ふと、アグスさんの声に顔を上げる。


「俺っち、いつもテイ先生の顔を見ていると頑張れるような気がするんっす。あの人の元で働いているんだって……テイ先生が側にいないときは、いつもその写真を見ているんっすよ」


 なんだか、アグスさん嬉しそう……

 写真を撮ってまでテイさんのことが好きなのかな?


 そう思っていると、ぐいっとマウに服を引っ張られた。

「ど、どうもお邪魔しました!」

 ワタシが立ち上がると、マウはお辞儀をして出入り口まで走り、ワタシに向かって手招きした。

 ……まあ、ここにいても仕方ないし、会議室に戻ろっか。






 通路を歩く中で、ふと考える。


 どうしてマウは、写真を見ただけであんなに慌てていたんだろう?


 好きな人の写真を見てモチベーションを上げるのは、いい方法だと思うんだけど……


 なんどもマウと顔を合わせても、なぜか今回は教えてくれなかった。




 いかがでしたか? オロボ46です。


 ついに2人目の犠牲者が出てしまいました。それも、10年前の事件と関わりのある人物が……

 その一方で、イザホたちはウアを殺したと思われる人間と遭遇、彼もしくは彼女の落とし物を手がかりとして入手することができました。

 しかし、イザホの命を狙っているはずなのに、転落しそうになった時は助けていましたが……目的はなんなのでしょうか?



 さて、次回ですが……

 ウアの友達だったリズから、とある依頼を受けたイザホたち。

 依頼のために、リズのかよう学校に潜入することになるようですが……一体どんな依頼なのでしょうか?

 そして、現代の事件の解決の糸口を、掴めるのでしょうか?


 11月22日(月)公開予定です!


 結局11話もかけてしまったACT3を、最後まで見てくださりありがとうございました!


 ・紋章の埋め込みシーンにワクワクした

 ・テイのキャラと過去のギャップに関心した

 ・アグス、クライよりも影が薄いよね


 どれかに当てはまれば、★を入れてくださると励みになります。

 コメントによる感想やご指摘も大歓迎です!

 ブックマークを入れて貰えると、続きが投稿された時に通知が来るので、そちらもご検討ください。




 この物語が、誰かの紋章となりますように。


 それでは、次回もお楽しみに!!

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