表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/97

2-2, 吹部の部長

「じゃあね、私は、吹奏楽部があるから。」

午後、部活の時間。


「ん・・?そういえば、空桜ちゃん部活はもうはいってたっけ?」

「え?まだだよ〜・・・ 今日見学いくんだけどね〜〜」

転入生である空桜はまだ、どこへも正式入部をしていない。


「どこへ?」

できれば同じ部に勧誘したい、というような光った目つきで空桜をみる歌波。

「え・・・ 決めてないっ・・!」

軽くいわれてしまい、しょんぼり。


だが、何故か空桜は音楽室へむかう歌波について歩いている。

ちらちらと、空桜をみては首をかしげたり、肩をすくめたりする不思議な歌波。

空桜は気にせず廊下を進んでいる。


まもなく、音楽室がみえた。

ドアの前に、しぐれと似た服装の三年生くらいの女子がたっている。

おそらく彼女は刃流の生徒なのだろう。

──うわぁ・・・ 美人・・・・・

歌波は頬を赤く染める。

「誰、あの人??」

空桜もまた、彼女に興味があるようだ。


二人が彼女をみつめていると、音楽室の扉がひらいた。

中からでてきた揺る結びの、

「あ、部長!」

二人は目があうと部長はすっと微笑み、握手をした。


「あら、園部さん」

その直後、部長は此方に気が付いた。

隣の美少女も此方をむく。

空桜の頬も桃にそまった。


「此方、刃流吹部の部長さん」

此方の部長の紹介で、あちらがわがぺこりとお辞儀をする。

だが・・・・ 先ほどから彼女は無表情。

「よよよ、よろしくです!」

歌波はそう、緊張している。


「そうそう、鳩羽さんよね。 お手紙頂いたのだけれど・・・・

 このお名前、なんとよむのかしら」 

向こう側の話にもどる。

ぼーっとみつめている。


「りつもです」

「へえ、鳩羽(はとば)立雲(りつも)さんか。 良い名前ね」

「有難う御座います」


ふと、部長が立雲の顔を覗き込んだ。

赤面する立雲。

「あなた・・・ 恋、してるの?」

「え?」

はじめてみた。 立雲のこんな目を丸くした表情。

かなり、驚いているらしい。

図星なのだろうか。


「鈍感なのよ、あなた。 恋愛していて、まわりがみえなくなっちゃってる・・・

 ってところかしら?」

「あの・・・・」

「いいわね、彼氏とかいるんでしょう?」

「・・・・・・・」


吹部の部長って・・・凄い。 あんな人だったんだ。

圧倒している。

一瞬、立雲を麗と似ているとおもった自分はなんだったのだろう?

空桜は二人をみて考えた。


楽器なんてとくに興味もなかったけれど、

吹奏楽部にはいってみるのも悪くない、空桜はそうおもった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ