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11-4, 真夜と千景の木曜日

峰岡千景が図書室へ行くと、隅の方の席に真夜がいた。

隣に座ろうと、一瞬思う。

やっぱり気まずいとも、一瞬思う。


そうこうしている間に、向こうから声をかけられた。

あわてながらも、結局すわることにした。


真夜のよんでいる小説は、英語でかかれていた。

ページをめくるスピードがはやい。


「よくそんなにはやく英語なんて読めますねぇ・・・」

のぞきこんでみる。

ところどころしかわからないが、どこか違和感がある。

すると

「これ、イギリス英語」と真夜がおしえてくれた。


それで、違和感。 納得する千景。

もっていた本をとりだす。

この間紗優にかりたものだ。


千景が話題を探していると、

「・・・留学」

ぼそっと 真夜が突然言い放った。

わけがわからず、間抜けな声をだしてしまう千景。


「高校からはイギリスでって小学生のころ思ってたけど、親いないし ・・・諦めた」

めくる手を休めず、冷たい声で言った。


真夜先輩が自分のこと語るなんて・・・

まずそれに驚く。


・・・いま居候させてもらってる人に頼むのって、勇気がいるよね・・・。

でも諦めること、ないよ。

そんな大きな目標、すてちゃだめだよ。


あたしが・・・勇気づけなきゃ。


「えっと・・イ・・ギリスッ?・・好きなんですか?」

何でそんなこときいたんだろう。

言った直後に後悔する。


「幼馴染が~・・・あー」

途中でとめる。

何かを考えている様子。


幼馴染・・・・ と 会いたくて?


っていうか、真夜先輩ってもしやバイリンガル・・・?


「約束してくれた張本人が夢を壊した・・・

 私も刺されて入院してたとき

 あの子ならわかってくれるんじゃないかって思ってたけど」


雨宮先輩のこと・・・。


真夜はそれ以上何もいわなかった。


夢があって そのために頑張ってたんだ

なのに・・・


・・・・そりゃ、思うよ。

自分と似た境遇の人に会ったら わかってほしいって、思うよ。


・・で?


雨宮先輩は、何

理解してあげなかったの・・・?


・・・・

どうして?



だから・・・・ 憎いんでしょう?

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