11-2, 立雲と八代の火曜日
夕方。
部活帰りの八代を待ち伏せする。
実力テストなんて糞くらえだけど、
おかげで部活ないわけだし。
たまには、ねえ。
うちも向こうもエスカレーター式だから、三年になった今も部活は続けている。
あれ?八代って何部だっけ?
と、校門からでてくる八代がみえる。
・・・んっ?!
今更、門の反対側に乙時雨生がいたことに気付く。
え、これいわゆるダブルブッキングってやつ?
あれ、それは予約が・・・だっけ? ・・・わからん。
「立・・・?」
怪訝な表情で私を見る八代。
そんな八代を見て、例の乙時雨生が驚く。
あ、もしかして
私の視線を気にしたのか、八代もふりむく。
目があう二人。
「ご・・・ごご、ごめんなさいっ!!」
「え、ちょ」
走り去る少女。
あ、やっぱりそうなんだ・・・・
「本当モテるね・・・」
あきれるくらい。
そして八代は珍しく顔が赤い。
ふふっ 明日は雨?
クリスマス周辺の予定をついでにきくつもりだったけれど・・・
なんかいやな雰囲気。
とりあえず隣で歩いてるんだけど 家近いし。
なんか・・・・ いやな雰囲気!
「さ、最近・・・・どう?」
「どうって」
「んと・・部活とか?」
「三年はもう試合ないから、指導してるけど、別に普通」
普通、 普通か。
そうだよね、普通だよね。
「・・・・そういえば、この間雨宮先輩の卒業文集見つけた」
「あ、うららんのお兄さんの!マジで?!」
「うららんて・・・」
だって、親しくなろうって、決めたんだもん。
「で?内容は?もしかしてシスコンなこと?」
・・!
八代がふいた!!
明日は嵐だ・・!
やっぱり、八代といるときが一番楽しいな。
うららんたちに誘われたけど・・・
クリスマス・・・ 八代と二人がいいな・・・。
でも断ったら傷つけちゃいそうでこわい。
八代も一緒にって、いってくれたけど・・・
途中で抜ければ・・・ でもな。
それも相談しようと思ってきた。
けど・・・
なんか八代みてたら、そんな悩むほどのことでもないような気がしてきた。
・・・あとで電話しとこ。