9-5, 疑問と後悔と
同時刻。
「あ、きてたんですねぇ、生徒会長」
売店で並んでいると、一見真面目そうな二人、
「春日崎さんに新さん。 それから・・・」
に、声をかけられた。
売店に彼女らがいたきっかけは簡単だった。
「演劇部の舞台見に行く?」
麗と空桜、二人っきり。
二階の廊下
無言で歩いていたが、空桜が口をひらいてみた。
「任せます」
微笑む麗。
「うーんあたしも正直どっちでもいいんだけどなあ
暇だし、何か買ってからいこ。」
そう、麗たちは来た。
それを春日崎真夜たちは、そばでみていたのだ。
そして待ち伏せた。
「珍しいですね?学校の外にいるなんて。それに、真岸辺さんといるんですねぇ?」
「こんにちは委員長~!お素敵なファッションですね、いつもと違って」
皮肉の意をこめて発せられた言葉に、空桜も負けじと言い返す。
「うふふー、真岸辺さんたちはどうしてまた制服で?」
「おそろいできたかったんですー」
単に、麗が制服で来ることを予想し、浮かないようにと合わせただけなのだが。
「そうなんだ。私たちもそうすればよかった。ねぇ、新さん?」
無視。
「あっ、こんなところで話してるのもなんですよね。何を買いにきたんですか?まとめて買いますよ」
──いきなり口調が・・・・
空桜が真夜を一瞬だけ睨んだのを、新まどかは見逃さなかった。
が、見て見ぬふり。
「あ、大丈夫ですよ、春日崎さん。少しのどが渇いただけですし、ね?」
「う、うん!そう!・・・ですよ!あたしたち自分でかえますから!またあとで会いましょう!!」
──また・・・あとで?
自分の言葉に疑問を、そして後悔を。
「わかりました。後でまた会えるといいですねぇ?うふふ」
そう、真夜は黒く笑いながら自分たちの分だけを手に、店を後にした。
まどかは最後まで無表情を貫き通し、麗に軽く頭をさげて真夜についていった。
「あ、うららんどうする?」
「え?ああ、何でも良いですけど」
「じゃあー、これくださいー」
── ─ ・・・・・
しばらく、して。
彼女らはすでに外にでていた。
「もうそろそろ終わっちゃってるかもねぇ、演劇部。
もう次の次じゃん!」
と そのときだった。
鋭い音がした。
どこかで硝子が割れた。
そんな音だ。
「何いまのっ?!」
「・・・・・何か・・・・・われたようですね」
「あ!窓!二階の!」
先ほどでてきたばかりの校舎を指差す空桜。
「・・・・見事に」
「あちゃぁ何でなんだろ・・・・・・・???
近くいってみてみる?」
「いや・・・・・ここで、見てましょう」
「え?」
麗の言葉の意味を理解することはできなかった。
だが、ほかに何も・・・できなかった。