表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/97

9-3, 刃流祭にて

「あ、渉くんたち」

遠くの方に見つけた知り合い。

隣の八代はみようともしない。


「何みにきたんだろう?遊びに来ただけかな?」

「暇なんだよ」


「そんなもの?」

「あの人基本的に何も考えてないから」


苦笑する立雲。すでに直前練習を終え、合流を済ませている。

対して八代は無表情。


「間違った方向にいってるってか方向性ないし」


真顔でおっしゃいますか──・・・・・


「でも悪い人じゃあないじゃん?」

「教育に悪い大人だよ」

「いやあ・・・・・」


立雲の苦笑いは終わりそうもなく。






 







快晴は続く。


「しぐれちゃん達まだかなー ンフフ」

「ロリコン」

「ロリッ?!いや、確かにしぐれちゃんは可愛いけどな?!

 決してそういう・・・・・」

そこでやっと、雨宮啓は周囲の視線に気がついた。

やれやれと肩をすくめるツッコミ役、渉。


何も考えていないわけではなかった。

だが間違った方向にいっているのは事実。


流石に立ち止まって苦笑い。

そしてすぐにまた歩き出した。

「いやあ、でも渉と外出なんて久しぶりで兄ちゃん嬉しいわー」

「そう」

「なんだよーお前は嬉しくないのか?」

「いや・・・なんで刃流なのさ。姉ちゃんは乙時雨でしょ?」

「だから!しぐれちゃんがいるだろ?」

「やっぱロリコン」


くだらない会話。

くだらないけれど それはとっても有意義なものでもあり──・・・


「お、やっぱラブラブだなーあの二人は」

視線の先には立雲と八代。


渉も一応知ってはいるが、スルー。


「そういやりっちゃんも吹部だったな」

「"りっちゃん"はやめよ?」


「いーじゃねーかーまったくお前かたいなぁ」

「兄ちゃんて絶対頭悪いよね? ・・・姉ちゃんと違って」

「なっ・・・ 確かに麗は頭いいよ?!いいけどなぁ?!

 俺だってちゃんと・・・・」

「そういうところが」

「なあっ?!」


「・・・・・姉ちゃんもきてると思うよ」


「は?え?刃流祭?」


「うん」


「・・・・・・え ああ、しぐれちゃん」


「それだけじゃないと思う」


それだけじゃ─── ない?


「きっと・・・・・・・


 多分だけどさ・・・・・・ 」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ