9-1, 刃流祭開幕
「10時から演劇部、11時から軽音・・・
昼をはさんで吹部は2時から・・・・
うーんちょっとはやくきすぎちゃったね」
「吹部だけが目当てみたいですね」
「んー まあ、しぐれのクラスももちろんまわるよ。あと、立雲さん」
「知り合い以外には興味なし ですか」
「うーん・・・・ そうかな!だってまわるよりお店ばんのほうが楽しいもん学園祭は」
能天気な空桜と、相変わらず薄い笑みを浮かべている麗。
校門のあたりで刃流の生徒たちがビラをくばっている。
吹部のものだけをもらい、校舎へ向かう二人。
「あー!早速立雲さん発見だー!!」
と、いきなり走り出す空桜。
麗はもちろんそれを追いかける。
「あ、空桜ちゃん雨宮さん はやいねー」
「いやーって・・・あれ?その人もしかして・・・」
彼女は立雲の隣に一人の男子をみた。
センスの良い私服姿に、仏頂面。
見たことのある人・・・・・・ そうだ、この間商店街でハンカチを・・・
「ああ、そう。うちの八代」
立雲は笑みをみせる。
「やっぱり彼氏ー!!!いたんですね~~~羨ましい」
立雲はちらっと八代をみる。
八代の視線がむけられていたのはハイテンションな空桜ではなく・・・・
「あなたが雨宮麗・・・さん」
「・・・・・椎名八代くん・・・ですね
こうして会うのは初めて・・・ですかね」
うなずく八代。
それに、空桜と立雲も気づいて時間をとめた。
「あなたのことはうかがっております」
「そのようですね」
二人の視線が同時に立雲にむけられる。
虫酸がはしる。
「今度ゆっくり話させてください」
「俺もしたいと思ってました」
・・・・・あれ?
雨宮さんも八代のことをしっていた?
怪訝な表情の二人。 そして立雲もいま、かすかに。
のこされた空桜は 当然のごとく不安におちいる。
・・・・・・・この人、うららんに何らか・・・・
絡んでる・・・?