8-6, 刃流祭直前
「今週末、刃流の文化祭だか学園祭だかがあるんだっけね 行く?」
「行くと思うよー あいつが行くらしいからさー ちょっとやらかしにいこうかなーとか?」
くすくすと笑う二つの影───・・・・
「てかあいつ何しにいくの?」
「奏しぐれだよ」
「え、それってあのカナデ食品のお嬢様?」
「そーそ。 何か仲いいらしいんだよね?」
「馬路かよ」
笑いの耐えない二つの影───・・・・
「ていうか歌波たち誘った?」
「あ、忘れてた けど歌波あれでしょ、ほかに誘ってくれる奴いるっしょ」
「そっかーあの何だっけ?おしべだっけめしべだっけ?」
「真岸辺だよ」
「そーそれそれ」
ついには大爆笑と変わる二つの・・・・影。
───生徒会室
「でさ?さっきまで委員会だったじゃん?本当ッうざいのね、あの委員長!
まじめぶっちゃってさーあ!内申目当てかよーみたいなあ!!」
机をバンバンたたく空桜と、黙ってきいている麗。
「うららんどーおもう?むかつくよね?」
「そうですね」
苦笑する麗。
そしてやはり空桜は不安になる。
さっきみたいな空気にならないように・・・ 必死に話題選んでるのに。
愚痴ってやっぱどんよりしちゃうのかな・・・・?
うららんのばかっ・・・。
でもここは 私自身が笑顔でいなきゃ
他人にわけることは・・・・ できないっ!
だから!
「で、頭いいんでしょ?なんかもう・・ねっ!
頭いいっていったらうららんもっとすごいよね!!
どういう勉強してるの???」
「え?」
「なんかよくわからない本よんでたけど・・・」
「あ・・・ いえ あれは」
「すごいな~ もしかして勉強なしで・・・??うっわ天才!」
「・・・・・」
盛り上がらない・・・・・
だけど!
「刃流の文化祭いくよね?」
「あ、はい そのつもりではいます」
「そっか!楽しみだね~~」
「ですね」
続かない・・・・・・・
だからこそ!
・・・・なにをすればいいの?
文化祭大丈夫なのかな・・・・あ
──刃流の屋上
すぐ傍の男子校の屋上にむかって手を振っている立雲。
それをしかとしている向こう側はもちろん八代。
下に見える運動場、そして中庭では文化祭の準備が行われている。
完成した舞台で演劇部の練習がはじまる。
・・・・・あれは
校門のあたりでキョロキョロしているあれは・・・ 奏さん?
あんなところで何を・・・?
と、いきなり走り出すしぐれ。
向かうのは商店街の方・・・・?
乙時雨ではないということは・・・ 家にかえるかもしくは商店街そのものに用事が?
何か買いに行くのかな?いや、高校じゃあるまいし。
何やってるんだろう・・・・?
っていうか私もこんなところで準備さぼってていいのかな