7-1, 落としたハンカチ
本日も快晴っ!
そして今日は土曜日だっ!!
帰宅部のあたしにとってはかなーり楽な曜日なのです
歌波とかしぐれとかは部活あるんだろうし・・・
うららんは何やってるんだろう?
暇だしっ!晴れてるしっ!いってみよーう!
何故いつもよりテンションが高いのかって? 理由なんてないよ~普通!
なんせあたしはいつでも元気もりっもりだかんね!
しいていうならもうすぐクリスマスだからとかかなっ!!
るんるんと、スキップをしている気分で学校へと向かう空桜。
だって、本当にスキップしたらわたし変な人になるから・・・。したいけど・・。
いつもの商店街をぬける空桜はおもう。
今日やけに男子多くないか・・?向こうの男子校、部活が休みになったりとかしてんのかな・・?
と、ぼーっとしていたとき、不意に呼び止められた。
「はい?」
振り返るとそこにいるのはやはり男子。
「落ちてたけど」
え・・・? ああ、ハンカチ。でもこれ
「わたしのじゃないんです」
「そう」
「あ でも・・・ それ絶対女子のだし わたしが預かりましょうか?
まわりにきいてみるんで」
っていっても、心当たりもないし持ち主が見つかるわけがない。
ただ・・ なんとなく?
「うん ・・・あ」
「あ?」
「それ、名前かいてある」
指差すハンカチ。
「あ、ほんとだ」
よくみると、薄い色で刺繍がされている。
これ普通気付かないよね・・・。
「SAYU・・・・ さゆ? って誰だ?」
どこかできいたことがあるような・・・ ないような。
と、空桜はそのハンカチをひろった男子が立ち去ろうとしていることに気付く。
「あの・・・」
空桜が彼を呼び止める声は、
「あれ 八代じゃねーか 最近よく会うよなーお前」
という青年の笑い声に消された。
「何ですか」
「何って、ほら 偶然だって! んお?えっ、新しい彼女か?!あっれ~ りっちゃんはどうしたんだよお前!」
えっ わたし?!
え・・・ え?!何?!
「違いますからね」
そういって彼は再び立ち去ろうとする。
今度はだれもとめなかった。
「きみ~ 奴とどういう関係?」
「え?っと・・・ 知り合いですらないですよ?」
誤解はとかないときがすまないタイプなんですよ、あたし
っていうかこのひと、だれ?
知らない男の人だし、あたしも去らなきゃ・・・ と、歩き出すが
男もまた、ついてくる。
「あの・・・ ついてこないでください」
「ついてってないよ 偶然だから でさぁ、どういう関係なの」
無視っ!
こんなヘンタイ相手になんかっ!!
校門をくぐってもなお、ついてくる男。
なんなのっ・・・・!
うっ・・・・ 生徒会室に逃げ込むぅ!!
勢いよく扉をあけると、そこにいた麗は当然のように唖然とする。
だってさ、知らない男の人ついてきてるんだよっ
ねえ、先生よばない?よんだほうがよくない?
「何度もいいますけど!!ここ女子校ですよ?!ノコノコとはいりこんでこないでください!!
何度いったらわかるんですか?なんなんですか?あなたヘンタイですか?」
あ・・・・
あの、うららん?
なに?うららんちょっと そういう人だっけ?
「ほら、それは~まあ、俺だし?」
それでこの男なに?ストーカーなの?うららんの?まじで?
「かえってください 今すぐ」
あのさ、うららん あたしの存在・・・・
「空桜さんも何故つれてきたんですか!」
あ、気付いてた。
何故って・・・・・・ つれてきたわけじゃないんだけど。
って、あれ? ん?
いま、空桜さんってよんだよね? 昇格した?! 真岸辺さんから、ついに空桜さんに!
でもまだ敬称ついてるんだよねぇ 不自然・・・
って、今はそういうのはおいておいて・・・!
「女子校女子校いうけど、ここの職員、 普通に通してくれるじゃん」
「・・・・・」
「ほら、一応保護者だし。 授業参観ってお父さんくるだろ?ならお兄さんだってい・・ うごっ!」
喋り終わる前に、麗の華麗なるキックが、見事大事なところに命中・・・。
っていうか!お兄さんだとおおおおおおお?!
に、にてねぇ
弟はにてるのに何で兄似てないんだっ
っていうか!何で兄が訪問してきてるんだっ!
シスコンでしたかっ えっ、シスコンンンンンッ?!
「それで!用がないならかえってくださいね
何しにきたんですか。」
「用くらいあるって。 これ渡しに着たんだよ」
ポケットをゴソゴソといじるお兄さん。
取り出したのは 一通の手紙・・・?
「渉から」
「・・・・・・」
渉ってたしか、弟の名前・・・・だっけ?
「何でまたあなたが」
「ほら、渉が直接わたしにきたらさ、ここの女子たちにモテモテになって・・・ がはっ!」
ブラコンでもありましたかああ!
華麗なるキーックニ発目・・・・。 南無・・・。
たしかに渉クン、かわいいけどねぇ・・・。
「確かに預かりました。では、かえってください」
「ったく つめてえな・・・ いてて」
ようやくかえる気になったらしい、お兄さん。
ガラガラと 扉のあく音がする。
その音にまじってきこえたお兄さんの声。
「できそこない妹だけど仲良くしてあげてよ」
できそこないお兄さんもってるなんてご愁傷様ですよ・・・・!