表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/97

7-1, 落としたハンカチ

本日も快晴っ!

そして今日は土曜日だっ!!


帰宅部のあたしにとってはかなーり楽な曜日なのです

歌波とかしぐれとかは部活あるんだろうし・・・


うららんは何やってるんだろう?

暇だしっ!晴れてるしっ!いってみよーう!

何故いつもよりテンションが高いのかって? 理由なんてないよ~普通!

なんせあたしはいつでも元気もりっもりだかんね!

しいていうならもうすぐクリスマスだからとかかなっ!!


るんるんと、スキップをしている気分で学校へと向かう空桜。

だって、本当にスキップしたらわたし変な人になるから・・・。したいけど・・。


いつもの商店街をぬける空桜はおもう。

今日やけに男子多くないか・・?向こうの男子校、部活が休みになったりとかしてんのかな・・?

と、ぼーっとしていたとき、不意に呼び止められた。


「はい?」

振り返るとそこにいるのはやはり男子。

「落ちてたけど」

え・・・? ああ、ハンカチ。でもこれ

「わたしのじゃないんです」

「そう」

「あ でも・・・ それ絶対女子のだし わたしが預かりましょうか?

 まわりにきいてみるんで」

っていっても、心当たりもないし持ち主が見つかるわけがない。

ただ・・ なんとなく?

「うん ・・・あ」

「あ?」


「それ、名前かいてある」

指差すハンカチ。

「あ、ほんとだ」

よくみると、薄い色で刺繍がされている。

これ普通気付かないよね・・・。


「SAYU・・・・ さゆ? って誰だ?」

どこかできいたことがあるような・・・ ないような。

と、空桜はそのハンカチをひろった男子が立ち去ろうとしていることに気付く。


「あの・・・」

空桜が彼を呼び止める声は、

「あれ 八代じゃねーか 最近よく会うよなーお前」

という青年の笑い声に消された。

「何ですか」

「何って、ほら 偶然だって! んお?えっ、新しい彼女か?!あっれ~ りっちゃんはどうしたんだよお前!」

えっ わたし?!

え・・・ え?!何?!

「違いますからね」

そういって彼は再び立ち去ろうとする。

今度はだれもとめなかった。


「きみ~ 奴とどういう関係?」

「え?っと・・・ 知り合いですらないですよ?」

誤解はとかないときがすまないタイプなんですよ、あたし

っていうかこのひと、だれ?


知らない男の人だし、あたしも去らなきゃ・・・ と、歩き出すが

男もまた、ついてくる。

「あの・・・ ついてこないでください」

「ついてってないよ 偶然だから でさぁ、どういう関係なの」

無視っ!

こんなヘンタイ相手になんかっ!!


校門をくぐってもなお、ついてくる男。

なんなのっ・・・・!

うっ・・・・ 生徒会室に逃げ込むぅ!!


勢いよく扉をあけると、そこにいた麗は当然のように唖然とする。

だってさ、知らない男の人ついてきてるんだよっ

ねえ、先生よばない?よんだほうがよくない?


「何度もいいますけど!!ここ女子校ですよ?!ノコノコとはいりこんでこないでください!!

 何度いったらわかるんですか?なんなんですか?あなたヘンタイですか?」


あ・・・・

あの、うららん?

なに?うららんちょっと そういう人だっけ?


「ほら、それは~まあ、俺だし?」


それでこの男なに?ストーカーなの?うららんの?まじで?


「かえってください 今すぐ」


あのさ、うららん あたしの存在・・・・


「空桜さんも何故つれてきたんですか!」

あ、気付いてた。


何故って・・・・・・ つれてきたわけじゃないんだけど。

って、あれ? ん?

いま、空桜さんってよんだよね? 昇格した?! 真岸辺さんから、ついに空桜さんに!

でもまだ敬称ついてるんだよねぇ 不自然・・・

って、今はそういうのはおいておいて・・・!


「女子校女子校いうけど、ここの職員、 普通に通してくれるじゃん」

「・・・・・」

「ほら、一応保護者だし。 授業参観ってお父さんくるだろ?ならお兄さんだってい・・ うごっ!」 

喋り終わる前に、麗の華麗なるキックが、見事大事なところに命中・・・。


っていうか!お兄さんだとおおおおおおお?!

に、にてねぇ

弟はにてるのに何で兄似てないんだっ


っていうか!何で兄が訪問してきてるんだっ!

シスコンでしたかっ えっ、シスコンンンンンッ?!


「それで!用がないならかえってくださいね 

 何しにきたんですか。」

「用くらいあるって。 これ渡しに着たんだよ」

ポケットをゴソゴソといじるお兄さん。

取り出したのは 一通の手紙・・・?

「渉から」


「・・・・・・」

渉ってたしか、弟の名前・・・・だっけ?


「何でまたあなたが」

「ほら、渉が直接わたしにきたらさ、ここの女子たちにモテモテになって・・・ がはっ!」

ブラコンでもありましたかああ!

華麗なるキーックニ発目・・・・。 南無・・・。


たしかに渉クン、かわいいけどねぇ・・・。

「確かに預かりました。では、かえってください」

「ったく つめてえな・・・ いてて」


ようやくかえる気になったらしい、お兄さん。

ガラガラと 扉のあく音がする。

その音にまじってきこえたお兄さんの声。

「できそこない妹だけど仲良くしてあげてよ」


できそこないお兄さんもってるなんてご愁傷様ですよ・・・・!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ