6-5, 優等生
わたしはあの女のことが嫌い
努力なんてしていなさそうだし 今まで散々・・・ あんなことやってきておいて
わたしより頭がいいのね?
ええ、2位の人も勿論嫌いよ。 ライバルだもの。
でも・・・ あなたは一体なんなの?
人間とはおもえないあの結果・・・ いわば神かそれとも悪魔か
担任も何もしらないようだし
わたしが調べるしかないようです
とくに・・・
真岸辺空桜とかいう子・・・・・
さきほどすれ違った際には何もかんじられなかった
ただの平々凡々な人にしかみえなかったのよね・・・
きく?直接?
友達とおもわれるあの長髪の子か?
それとも接触のあるあの刃流のチビか?
それとも・・・・ あの女に?
頭がいたくなってくる。
わたしの好敵手ともよべるほどの頭脳をもつ人が
よりによってあんな人
ふざけないでほしい
順位が掲載されるときいて喜んでいたのも束の間で・・・
あの日あのとき扉をあけてはいってきたあのツインテール・・・
なんだかゆるせない
わたしだって人よりは努力していないほうだとおもう
でもそれをいいことに 今まで生きてきた
わたしの・・・ わたしの美学をなんだとおもっているの雨宮麗
と そのとき彼女の目にある人物がうつった
あれは・・・・ 下校途中の刃流チビ・・・?
目の前にいてはしかたがない。
わたしは彼女をよびとめた。
ふりむく彼女。 何度みても小さい。
「いきなりだけど・・・ ひとつきいていい?
あなたにとって真岸辺空桜ってなに?」
「は?」
即答。 無理もないだろうが・・・・
「友達。 だからなに?」
ああ、この子 口悪いかも。
「いえ?きいてみたかっただけ ありがとう」
「なに?」
・・・・めんどうくさい子
「あ、よかったら名前教えてくれる?」
「しぐれ」
・・・・・・一問一答ってきいているほう凄くつかれるのよ、ねえわかる?
「そう しぐれちゃんね」
「だから」
「あ えっとわたしは・・・まど」
「窓?」
「まどか」
「ふぅん」
ムカツクー! チビのくせになにこいつ
途中でさえぎるな、何が窓だ。冗談は身長だけに・・・っと、言い過ぎた。
ああ、だめだわ わたし本性でてる
真面目でしずかな優等生を演じているのに・・・ くっ
気付くと彼女、立ち去ろうとしている。
「ちょっと まちなさーい?」
あわててよびとめる私、新まどか。
「なに」
「あ もうすこし ゆっくりはなさない?なにかおごるよ」
「おごらなくていいよ しぐお金あるから」
あ、そう。
「とにかく!!」
「なにぃ?」
ウザイなあもう!このチビッ!
だめだめだめ わたし・・・ もっと演じなければっ
ほら、こういう子ってやさしいお姉様キャラによわいんでしょう?多分
だってなによわたし、優等生よ?
こうなったら強引にっ・・・
なにがなんでも事情聴取!
と 腕をつかみ、ぐいとひっぱろうとしたそのときだった。
・・・・力がはいらない・・?
おさえられている・・?
この子・・ そんな力がっ!!
しぐれの方をぱっと向き、まどかは唖然とする。
「あ、あああ、雨宮さん?!ななななんでここにっ・・・」
うそでしょ? なんでいるのよ? うそでしょ?うそよね?
「なにしてるんですか・・?」
「なっ なにも?!わたし通りかかっただけよ?ねえ?じゃあ、またっ」
彼女の冷静な問いかけはその場を立ち去る以外の選択肢をあたえてはくれなかった。
やっぱり恐ろしい人です・・・・
走りながらわたしは思う。
「なにしてたんですか・・?」
「うららん・・・ あの人キモイ」
しぐれがそう訴えると、麗はにっこりと微笑みこういった。
「僕もそう思います」