4-4, 定期試験
翌日のことだった。
「今週は部活ないからね。」
吹部の部長が笑顔で、そういった。
「えっ?またですか?」
「またって何よ。 昨日はまぁ別なんだけど、もうすぐ定期試験じゃない。」
「あ・・・・・」
忘れていた。
私、歌波もすっかり忘れていた。
最近はいってきたばかりの子と仲良くなったのは良いものの、
なんだか私自身まで、何か変わったようなきがする。
ふりまわされちゃっていて・・・
定期試験とか、それどころじゃなかったな。
そろそろ勉強しなきゃ。
「今回からは順位はりだされるらしいのよ」
ええええっ?!
試験結果を張り出すのは当たり前なのだろうが、
この学校に、順位が張られたことは今までなかった。
学校長がどうのこうのっていっていたけれど、どうなんだろう?
やだなぁ、順位とか・・・。
なんで今回から?二学期末試験からって・・・中途半端だよね。
歌波は色んなことを考えながら、部室をあとにした。
はぁ・・・、 ためいきをつく。
ふと、前方にお気楽転入生がみえた。
あちらも歌波に気付いたようで、此方にかけてきた。
「歌波~!部活あったんじゃなかったの?」
「あぁ、はい。あると思ってたんだけど、もうすぐ試験があるからって、
今週いっぱいはお休みになるみたい。」
「試験?!きいてないよ!!!」
彼女もまた、驚いていた。
うん、わかる・・・。
「しかも、今回からは順位がはりだされるみたい」
「今回から?今まではられてなかったの?」
空桜がさらに驚く。
苦笑する歌波。
「うん、空桜ちゃんの前のところは、でてた?」
「あったよ~~最悪!」
うったえるような目で此方をみてくる。
そんな表情みせられても。
「そっかぁ」
最悪、かぁ。 この子の成績、どうなんだろう。気になる。
「兎に角、お互い勉強頑張ろうね」
「ええ~ 歌波はちゃんと勉強するんだ」
空桜が怪訝な顔を見せてきた。
「しないの?」
「したくな~い。てか、刃流は文化祭だよ!羨ましいい~~~」
「そうだったね」
それには同感だった。
「刃流の期末は十二月だって。文化祭が終わってから」
「まじで!え!なんでしってんの!」
「友達がいるから、きいたの」
友達かぁ。刃流の友達なら、あたしにもしぐれがいるよーだっ!
空桜が意地悪な笑みをうかべる。
「私ももうすぐだってこと、忘れてたんだけどね。さぁ頑張らなきゃ」
その言葉で、空桜の笑いの表情はきえさった。
「がんばれぇ・・・・ あたしもう今からあきらめてるから・・・」
「何いってるの、勉強しようよ。 あと1週間以上あるよ」
「うぅん・・・」
歌波は真剣だった。
空桜はとりあえず、うなずいておいた。