表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/97

4-3, 瓜二つ

面倒くさかった昼の委員会、そして後の二時限もおわり時は放課後。


空桜は歌波は愉快に商店街を歩いていた。

歌波の部活が珍しく休みだったのだ。

歌波によると、部長の機嫌が良かったらしい。

それで、なくなった。よくわからない活動方針。


まあそんなことで、歌波が「やった~っ!久々に休める!」なんていってるものだから。

あたしもうららんに手ふりかえしてもらってまだ、嬉しいのが続いてるんだもんね。


しばらく買い食いをしながら歩いていると、

「歌波ちゃん!」と呼ぶ声があった。

歌波が振り向く。


「ああ、彩葉(いろは)ちゃん。こんにちは」

二人の、小学生?がいた。

歌波は二人に挨拶をした。

「従姉妹なの。 えっと、そっちは、ボーイフレンド?」

この女の子の方が従姉妹。それで、もう一人の男の子の方は、歌波も知らないのかな?

空桜は頑張って関係性を把握しようとしている。

それにしてもこの子・・・・。


「え?違うっ、違うよ!家が近所だから、一緒に塾行こうって、それだけ!」

否定はしているが、顔は赤い。

片思い、か。

ふと、歌波が隣の少年の顔を見て固まった。

それに反応する空桜と歌波の従姉妹さん。

彼女は首をかしげているが、私にはわかった。

私も、思った。

やっぱり、そうだ。


「似てる・・・・。」

歌波がそう、呟いた。

同感。

「似てる?」

従姉妹さんがわからない、というように問う。


歌波は話題をかえようとした。

「私、園部歌波」

「はあ」

さり気無く少年に自己紹介したつもりが、かえって警戒されることになる歌波。


「あああ、あたし空桜!ね!」

歌波も私も、自己紹介したくしてしてるんじゃなくて、この子の名前知りたくてしてるんだよ。

うん、歌波もっていうのは多分だけど。 気付けよぉ・・・。


気付いてくれたのは従姉妹さんのほうだった。

「えっと、渉だよ」

彼女が紹介してくれた。

でも、下の名前はきいてもぴんとこない。

何故私たちがそんな、彼の苗字をきにしてるかって?

だってさ、この子・・・・・。


仕方がない。単刀直入に聞くしかない。空桜が口を開いた瞬間、

「雨宮麗さんって、知ってる?」

歌波にさきをこされた。

その歌波の問いに、彼は一瞬凍った。

そしてすぐに「うちの姉ですけど」とかえしてくれた。

「やっぱり!」

「似てると思った・・・・」


そう。

彼はとてつもなく・・・、 麗に似ていた。

身長と髪型以外はまったく同じといっても良いほど、瓜二つという言葉が似合う。

どういう関係なのだろう。

空桜達は不審におもっていたのだ。


「似てると思った それだけですか?」

「え?」急に問い返され、戸惑った。

どういう意味?

「別に それなら良いです」

渉はそういって、早足で其処から立ち去った。


「あ、渉?じゃあ、歌波ちゃんまたね!」

従姉妹さんも、彼を追いかけ走っていた。

取り残された二人は商店街の真ん中で、顔を見合わせた。


「あんなにも似通った兄弟がいるんだね、あの人にも」

「あたしも驚いたよ~~っ。 うららんそっくりなんだもんね~~~っ なんだか中身まで似てない?」

空桜がはしゃぐ。

「え?」

それに対し、歌波は目を丸くした。


「うららんって、今いった?」

「うん。なんで?」

歌波は咄嗟に、空桜への警戒の色をみせた。


「空桜ちゃん、会長とそんな親しくなったの?」

「え?うん!あたしがうららんを支えたいなって思ったのね」

「そう・・・・」

楽しげにあたりを見回している空桜に、歌波は哀しげな顔を向けた。

「あ!あれおいしそう!買い食いしてこっ!」

空桜はそれに気付きはしなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ