4-2, 図書委員会
「昼休み、図書委員の方は図書室に集まってください。」
朝のHRで担任がそんなことをいっていた。
たしか歌波がそうだったかな。
一緒にきてほしかったかったけれど、仕方がない。
ひとりでいこう。
あたしはうららんと約束した!昼にまたいくって。
急ごうとしたときだった。
「真岸辺さん」
不意によびとめられた。
「はい?」振り向くとそこにいたのは小柄な眼鏡女性、担任だ。
「まだ委員会決めていた無かったわよね、あなた。」
そういわれれば、そうである。
「それで、人数を考えて図書委員にはいってほしいとおもって。」
えぇ?!今日集まりがあるんでしょう?!
「園部さんもいるし、あなた仲が良いみたいだからね、良いかしら?」
優しそうに見えて、 この人はやばい。
笑っているのに鋭い目。
「は、はぁ」
さすがに断るわけにもいかない。
「早速なんだけれど、朝いったでしょ、今日集まりがあるの。図書室に行ってくれるかしら」
「はあ・・・・」
それじゃぁ、生徒会室いけないよ?!
でも・・・、顔はだそう。 それでいいかな・・。
「どこいくの?図書室はあっちよ。」
逆方向に歩き始める空桜。
「トイレです」
自分でも下手なごまかし方だなあって思うけれど。
だってうららんのところ、行かなきゃ。
空桜は逃げるように走っていった。
「廊下は走らないように!」その声は無視した。
ついた。
生徒会室。
そこで思わぬ人物に出会ってしまった。
知らない人だったけれど。
「真岸辺さん?」
真面目な、眼鏡の女子。
「どうも、図書委員長です。あなたのことは先生からききました。
これから図書室向かいますが、一緒にどうですか?案内しますよ。」
こんな真剣にいわれては、咄嗟に口実をつくりだすことは不可能。
仕方なく、空桜は委員会へと向かうことにした。
でも・・・・・。
そのとき気が付いた。
生徒会室のドアが開きっぱなしになっている。
中をのぞくと、いつものように麗が何らかの資料と睨めっこしていた。
ふと、
「委員会頑張ってくださいね お二人とも」
感情のこもってない声で、応援された。
視線はまだ資料の方にあるのに・・・。 不思議。
それに、何であたしが図書委員だって・・・?
「うららんまたあとで来るっ!」
空桜は笑顔をつくりなおし、麗に向けて手を振った。
此方を一瞬たりともみていないのに・・、 麗は軽くふりかえしてくれた。
凄い。横に目でもあるのかななんて。
空桜はルンルン気分で、委員長についていった。