表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/97

3-1, 捜索

「ね、もうすぐ刃流は文化祭なんだよねっ!」

「そうなんだ・・・」


朝から元気一杯すぎる空桜は、

登校中にみかけた歌波におはようの挨拶もせず、呼びかけた。


何故か、気まずそうな歌波。


「どうしたの?歌波、元気なくない??」

空桜が歌波の様子を察し、顔を覗き込む。


「いや・・・ 別になんでも。空桜ちゃん元気だね」

「当たり前じゃん!!毎日元気にいかなきゃっ!人生エンジョイエンジョイ!」

体をのりだす空桜に、歌波はそっか、と苦笑した。

それで印象もさがってしまう。

嫌そうな表情をはじめる空桜。

歌波おかしくないか、と考え込む。


そしてさすがは細かいことを気にせない空桜、

まあいっか、と済ませ、またもルンルン気分で歌波をおいて歩いていった。


その後歌波が哀しそうな表情を浮かべていたことを、空桜は知るはずも無かった。













普段は校舎内を放浪している時刻、生徒会長が見当たらない。

やはり詳しく、話をききたい。

そんなおもいが空桜には残っていた。


善は急げ、だ。 何か違うかもしれないが、気にしない。 それが空桜。

しかし、 HRまで、あと15分もない。

仕方がない、走ろう。


校舎中を探し回った。

廊下を走るなと教職員に注意されながらも、空桜は必死に探した。

だが、会長の姿をみつけることはできなかった。勿論、生徒会室にもいない。


どこへ・・・?屋上にもいなかった、だとすると、欠席・・・?

一刻もはやく・・・ あの人に本当のことききたいのに、さ。


あきらめて教室へ戻ろうとしたときだった。

「空桜ちゃん」不意に誰かに呼び止められた。

一瞬ビクッとなり、ふりむく。

心配そうな顔で立っていたのは、歌波だった。

「授業もうすぐだから教室戻ろうっていおうとしたんだけど・・・、どうかしたの?」

「え?!いやっ!なんでもないよ!そうだね、もどろっか!」

「はぁ・・」

歌波は空桜が冷や汗をながしたのを見逃してはいなかった。


「歌波はどこへいってたの?」

歩きながら、歌波に問う。

「え、トイレだけど?」

歌波はきょとんとした顔で応える。


「あ、あ、あそうなんだ」

「やっぱりおかしくない?」

「歌波こそさっ!今朝おかしかったよ!!」

不思議がられては・・・ いけない。

歌波はあたしが会長探してること、絶対反対する。

空桜は話をそらす。

「え?あぁ、ごめん、私朝苦手なの」

「へぇ・・・」

でもなんだか、それで安心した。


せめて、 せめてだけれど、

歌波には嫌われたくない・・。


できれば会長と友達になりたいとかおもってる。

そうだ、会長ってよぶのはやめよう。

もっと、しぐれみたく、なれなれしく。

会長きっと驚く。

うん、驚いてほしい。


普段無表情だとか、薄笑いだとか、そんなばっかりの人って

驚くとどんな表情するのだろうか。

楽しみ、 気になる。

だから、だから今すぐ会いたいよ・・


──キーンコーン カーンコーン

「やばっ!!!いそごっ!!」

鐘の音が響き終わると同時に、二人はかけだした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ