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7.紳士なお兄さん





「ギルド直営の宿ってことは『暁の空』だね。」




「あ、そうです。いい宿ですよね。お値段良心的だし設備もいいし食事も美味しいし。」




「ははっ。君にとって1番のポイントは“食事が美味しい”なのかな。」




「え?なぜバレた?」




「あはは!わかるさ。この荷物全部が食材だもの。初めての買出しって普通はタオルとか雑貨類を買わない?」




「あ。・・食料品のエリアでワクワクしすぎてすっかり忘れてました。どうしよう?」




「ぷっ。大丈夫。宿の隣にギルド直営のショップがあるからそこで買えるよ。」




「よかった~。」




他愛もないことを話しながら歩いていたらあっという間に到着。


もう『暁の空』の看板が見えてきた。



癒し系キャラのお兄さんの名前はエリスさん。


話しやすいしジェントルマンだしこの人も凄くもてそう。


青騎士団いろんな意味でレベル高いな。




「迷惑でなければ部屋まで持ってくよ?ここで渡されても困るでしょ?」




まぁ確かに。


重さはなんとかギリギリ大丈夫だけど前が見えないから階段でコケそうなのよね。




「そこまで甘えちゃうのも申し訳ないというか・・。」




「これも騎士の職務のひとつだよ。市民のための騎士なんだから。」




そう言ってエリスさんは慣れた様子で宿の中に入っていく。


しつこくなく気遣いもさり気なく。


こりゃモテるはずだわ。


エリスさんとヨルンさんが特別なのかネイシェル王国の騎士道がイケメンなのか。


たぶん騎士道がイケメンなんだろうな。


街の女の子の騎士さんたちを見る目がハートになってたもん。




「あ、2階の右奥の部屋です!」




「了解。」




手が塞がってるので(買いすぎですよねゴメンナサイ)目線だけこちらに向けてパチッと軽くウィンク。


何やっても嫌味なく爽やか〜。



巡回でよく立ち寄っているらしく遭遇した従業員さんたちとも顔見知りみたい。


笑顔で会話している。特に女性従業員さんたちの笑顔はキラッキラだ。


うん。わかります。この数十分でよく理解しました。



部屋に到着。


先回りして部屋のドアを開ける。




「どうぞ〜。」




「ありがとう。荷物どこに置く?」




「あ、そこのテーブルにお願いします。」




中に入ったエリスさんは指定した場所に荷物を置いてあたしを振り返るとニッコリ微笑む。




「無事に任務完了。これで安心して仕事に戻れるよ。」




そう言ってあたしの頭を優しい手つきで軽くぽんぽん。



女性1人で滞在している部屋に長居せず立ち去る。


人を見る目はあるほうだし最初から心配してなかったけど。ホント紳士だわ〜。


騎士の鏡みたいな人だよね。




「街中で見かけたら気軽に声かけてね。」




まだ開いたままのドアに手をかけて出ていこうとしたエリスさんの胸元で何かがピコピコ光っている。




「エリスさん、何か光ってますよ?」




「おっと。連絡が入ったみたいだ。ちょっと失礼。」




そう言って胸元からガラケーみたいな薄い長方形のものを取り出して話し始めた。


携帯みたいなものがあるみたい。


キッチンの火力とか冷蔵庫の冷気も魔石っていう魔力を込めた石を使ってるから携帯もどきもその系統の道具だと思う。


見た感じ中世っぽい世界だけど食のレベル然り文明レベルも高そう。




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