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41.テーマパーク潜入レポ





「ふわぁ~・・」




なんじゃこれは。テーマパークか。



目の前にそびえ立つ荘厳かつ巨大なレンドラール邸。


あたしのボキャブラリーでは表現できない豪華絢爛さと歴史ある佇まい。


めっちゃ豪華ですべてが目が飛び出るくらい高そうなのに下品じゃない。


これが歴史ある大貴族様のポテンシャルか。すげー。


すごすぎて開いた口が閉じられない。あがあが。




「ユミ。中に入ろう。」




クスクス笑うジルさんに手をひかれ。だだっ広い玄関ホールの両サイドに整然と並ぶ執事さんやメイドさんたちに迎えられ屋敷内に足を踏み入れた。



シュト呼びはやめてもらったんだ。


シュトはシュト。


あたしは“ユミ”だから。


ジルさんは「そうだね。」と快く受け入れてくれた。




「私の部屋に行くよ。調理スペースも備え付けてあるんだ。」




手を引かれたまま螺旋階段を上っていく。



赤い絨毯がひかれた螺旋階段!ザ・お貴族様!




「今日をとても楽しみにしていたんだ。」




振り返ってやわらかく笑うジルさんにほんわり微笑み返す。


今日レンドラール低に来たのはお仕事なのだ。


お客様の所に行って作る出張サービス。



初顔合わせの日。


ちょっと不穏な雰囲気になったのを白騎士団の副団長フェリくん(なんと19歳だった!)と何とか丸くおさめまして。


そのあとの微妙な空気の中。5人でお茶してるときにあたしの仕事の話を聞いたジルさんから速攻で注文をいただきました。


1週間後の休日に朝食、昼食、夕食の三食。



ただいま朝の8時。


庶民常識だと普通に朝だけど貴族常識だと早朝。


10時に起きたら早起きなんだとか。


貴族って夜会とか晩餐会とか夜のイベント多いもんね〜。


そんな貴族社会の異端児ジルさんの朝は庶民派。


いつも8時くらいには王城詰所に出勤してるんだって。


朝食は食べないでコーヒーだけ飲んで出勤。昼食と夕食は忙しくて食べれないことも多いらしい。


たまに早く仕事が終わるとお屋敷で豪華ディナー。



不規則!めっちゃ身体に良くない食生活じゃん!


食事らしい食事ができない日もあるなんてあり得ない!


というわけで快諾した次第です。




「ここだよ。」




ジルさんが開けてくれた重厚なダークブラウンの扉の先に広がるテーマパークの内部。


ではなく。


格調高い調度品に囲まれたハイソサエティな公爵家嫡男様のお部屋。



うわお。30畳くらいありそう~。


いくつか扉が見えるから他にもいくつか部屋があるってことでしょ。


ここがリビングであとはトイレにバスルームにダイニングキッチンに寝室と執務室ってとこかしら。




「どうぞ入って。」




また口が半開きになってるあたしの背をクスクス笑いながらジルさんが優しく押してくれる。




「うわ。ごめんなさい。また口がパカーってなってました(汗)」




ヨルンさんとの出会いのときも口パカーで笑われたなぁ。


口元の筋肉を鍛えないとかしら。




「大丈夫。可愛いからなんの問題もない。」




キラキラの銀髪&氷属性&誰にでも塩対応ゆえに"氷の貴公子"と呼ばれているジルさんも、シュトの生まれ変わりだと思っている(というか思いたい)あたしには甘々である。


あたしたちのやり取りを偶然聞いた白騎士団の騎士さんが石像のように固まっていたっけ。



そんなわけで周囲の人々にジルさんの特別って思われてるみたいだけど。


シュトのことがなければあたしも立派な塩対応組。


ええ。わかってますとも。


調子に乗ってイタイやつにならないよう気をつけま~す。





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