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40.等身大フィギュアと黒猫





・・体温付きの等身大フィギュアとかじゃないよね??



気付けば無意識のうちに芸術作品をペタペタ触っているあたしの手。


うわ。お肌もツルツル。




「シュトもそうやって私の顔をよく触っていた。」




芸術作品レベルの美麗な等身大フィギュアが!


ふわっと笑った!



なんということでしょう。


ナリスさん以上の花々が咲き乱れております。大輪の紫の薔薇がぁ~!(注:幻覚)


網膜に焼き付けておかねば。



顔ペタペタを継続したままガン見していると顎の下を優しくかかれた。


あたしニャンコじゃないよ!って怒る場面なのかもしれないけど怒らないよ~。


だってこれ意外と気持ちいいんだもん。


ちょっとひんやりした細長い指先が心地いい。



ホントこっちに来てから周りの目を気にしなくなったなぁ。


開き直ってからは特にそう。


日本でのあたしを知ってる人なんて誰もいないしね〜。


自分らしく自然体でいられるってめっちゃストレスフリー。


若返ったのもあるけどこっちに来てから髪も肌もツヤピカです。うふ。



目を細めて顎かきを堪能していると「ユミ!」と大きな手が頬に添えられ横を向かされる。


なんだい?デレクさんや。


レンドラール団長様と目的の顔合わせの最中なんですけど。


まぁ顔合わせ通り越してペットと飼い主のスキンシップ状態ですけどね。




「猫のフリなんてしなくていい。」




フリをしてたつもりは全くないんだけどそんなに猫っぽかったかしら?




「デレク・ヒース! シュトに触れるな!」




パシッと手を払い落とされたデレクさんの眼力がものすごいことに。


威圧感ハンパなし。




「ジルディス・レンドラール殿。ユミは人間です。俺の友人でもある。その手を離していただきたい。」




デレクさんの敬語!めっちゃレア!


デレクさん敬語しゃべれたんだね!って当たり前か。


立場的に王様に謁見することもあるもんね。




「ユミは僕の友人でもあります。猫扱いは見過ごせないな。」




いつのまにかデレクさんの隣にいたヨルンさんの顔にはうっすらと笑みが浮かんでいる。けど目は笑っていない。


まさに魔王の笑み。


おいおい。腹黒王子が魔王にレベルアップしたぞ。




「まぁまぁ。皆さん落ち着きましょう。」




レンドラー・・長いな。ジルディス・・も長いな。


というわけでジルさんと呼ばせていただきます。


口には出さないつもりだけどそのうち普通に呼んでたらゴメンナサイと先に誤っておこう。



そのジルさんに腕抱っこされたままの高い位置から、デレクさんとヨルンさんに向けて両方の手のひらを揺らしつつニコッとしてみた。


心の中で『どうどう』と言いながら。



場の空気が和むどころか威圧と魔王の笑みがあたしに向けられた。


なんでやねん。



ってか2人がそんなにプンスカする必要なくない?


当の本人はなんとも思ってないんだから。


逆の立場だったら猫扱いされてる~あはは~って笑ってるよあたし。



あ、このまま誘拐されそうになった場合はもちろん助けてほしいけど。


そこはくれぐれもよろしくお願いします。





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