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36.目覚めたら芋虫でした







・・ん・・


・・いま何時?・・


ここ・・どこだっけ?



頭の中に霧がかかってるみたいにぼんやりして。


あれ?今日って平日?土日?え?遅刻??みたいなプチ混乱状態だ。



身体もなんだか重だるい。



しばらく目を閉じたままの状態でぼんやりすることにした。


脳ミソ停止中のいま考えようとしても慌ててもしょうがない。




体感10分くらい経過。


徐々に思考がまとまってクリアになってきて・・




危険生物!!




一気に脳が覚醒した。



閉じたままだった目を全開に開いてガバッと起き上がろうとして。


ゴロンと転がった。



あ、いつも使ってる寝袋か。


ん?なんか出れないぞ。いつもならスパッと出れるのに。


身体がだるいせいなのか動きが鈍い。



そのまま芋虫状態でうごうごしているとすぐ近くでクスクス笑う声が。


動きを止めて見上げれば朝焼け色の瞳を持つ美人さん。




「・・お、おはようございます?」




天幕の外は明るいけど朝なのか昼なのか夕方なのかわからず。


挨拶が疑問系になってしまった。




「おはよう。」




クスクス笑いの止まらない副団長様の麗しいこと。


バックに花が咲き乱れている幻覚が見えるよ。


寝起きに眼福。




じゃなかった!




「ナリスさん!あの後どうなったんですか?大丈夫でした??」




ごろり~ん。うごうごうご。


・・まだ寝袋から出てないの忘れてた。



ナリスさんのクスクス笑いが肩震わせ笑いにバージョンアップしてしまった。


すんません。




「魔力枯渇状態からまだ完全には回復してないからね。身体が思うとおりに動かないんだよ。」




しばらくして笑いがおさまるとそう説明しながら優しく寝袋から出してくれて。


なぜかそのまま自然な流れでナリスさんのあぐらの上に。


まるで娘を抱っこするお父さん。


何故??と顔に書かれてたらしい。




「まだ身体が辛いでしょ?」




そう言われてみればお腹に力が入らないような。


自力で上半身支えられない。


むしょ~に何かに寄っかかっていたい。




「確かに。寝袋から出られないくらいには動かないです。」




後頭部をあずけてる胸が振動する。


クスクス笑い復活。



考えようによっちゃ役得かも。


ナリスさんが座椅子代わりだなんて贅沢の極みだもん。


今のうちに堪能しとこ~。


思う存分寄りかかって心地いい体温と控えめに香る素敵な香水のかほりを堪能する。


くんかくんか。



・・変態じゃないよ?




「ユミさんのおかげで奇跡的に怪我人だけですんだよ。だいぶ弱ってたから討伐も10分くらいで終わったしね。」




野営地の中心部まで侵入されたことなんて初めてなんだって。


デレクさんはあれからずっと事後処理に追われてるらしい。


ナリスさんもさっきまで仕事しててちょうど様子を見にきてくれたとこだったみたい。




「怪我人ってもしかして見張りの騎士さんですか?」




「そう。侵入してきた場所の見張りに立ってた騎士が3名。重傷だけど命に別状はないよ。幸いなことに侵入してきたとき満腹だったらしくてね。尾ではじき飛ばされただけで済んだんだ。」




あいつに噛まれてたら確実に命無いよね。


たしかに不幸中の幸いと言えるけど。


あの丸太みたいな尾ではじき飛ばされるのもかなりのダメージだと思う。


ギリギリ助かったって状況なんじゃないかな。


体力回復したらお見舞いに行ってみよう。


水魔法で回復系の何かができるような気がするし。



最大出力で魔術使っちゃったしね~。


水魔法でできることならもう出し惜しみしません。


もちろん他の魔術に関しては引き続き社外秘だけど。






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