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25.青騎士団詰所にて 3





「どうぞ。」




「ありがとうございます。」




重そうな扉を開けておさえてくれてる騎士さんに笑顔でお礼を伝えて中に入る。




「失礼します。ヨルンさんのご紹介でランチをお届けにまいりました。ユミ・シトーと申します。」




扉の閉まる音を聞きながらビジネス用の深い丁寧なお辞儀をする。



なんか若そうな声だったな~。


期待してたような渋いイケオジ団長様ではなさそう。




「ああ。待ってたよ。ありがとう。」




・・ん?この声って・・


そろりと顔を上げかけて。



立派な執務机の向こうに見える顔に。そのまま中途半端な体制で固まった。


軽く30秒ほど。




「え??ヨルンさん??」




「さっきぶりだね。ユミちゃん。」




いつもの王子様スマイルとちょっとちがう意地悪そうな笑みをうかべたヨルンさんがそこにいた。


イタズラ成功♪って感じでニヤニヤしてる。



・・持ってるバスケット投げつけてもいいかな。いいよね?


あたしのイラつきを察知したヨルンさんがさらに楽しそうにニヤついている。


この腹黒王子め!




「あれ?ユミちゃん?」




これまた聞き覚えのある声のほうを見てみれば。


目を見開いて驚いた様子の・・




「エリスさん?!」




ここにいるってことはエリスさんもお偉いさん?!




「団長が話してたランチの配達を頼んだ人ってユミちゃんのことだったんだね。何を作ってきてくれたの? 楽しみだな~♪ 」




あたしの動揺などお構いなしにのほほんと喜ぶエリスさん。


相変わらずのほんわかお兄さんキャラで和むわ~。




「仕事が忙しくて全然ユミちゃんのとこに行けなかったからすごく嬉しいよ。」




ニコニコ。


腹黒の"は"の字も見当たらない笑顔。


初めて会った日からずっと忙しかったなんてちゃんとごはん食べてたのかしら。


心配だわ。




・・じゃなくて!


ヨルンさんが青騎士団団長でエリスさんが副団長ってこと?!




・・返してくれ。


いままでなるべく騎士団の人たちに近寄らないようにしてたあたしの努力。


ちょー初期段階で青騎士団関係者2人に出会うってどんだけ(涙)


しかも!その2人が!団長と副団長!


いったいなんの嫌がらせだっつーの。



がっくりとその場に膝をつきそうなあたしをニコニコと見つめるエリスさんと、そんなエリスさんを『え?何で知ってるの?』って顔で見ているヨルンさん。



なんかもう周りの目とか気にするのアホらしくなってきた。


どーせ今日のことで顔割れちゃったし。



それにそんなことより商売よ!


騎士団にはお弁当屋さんのお得意様になってもらわなくっちゃ。


とくにヨルンさんにはたくさん買ってもらわないと。


売られた嫌がらせは倍返しが基本よね。





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