22.デリバリー承ります
結果オーライ。
ヨルンさん空気読める男だった。
心の底から良かった。
いやホントにマジで。
『あ、業者さんなのね。』と理解したお嬢様方の視線がとってもやわらかなものになったときはリアルで涙が出そうになったよ。
いや。ここだけの話ちょっと泣いたね。
それぐらい女の嫉妬は怖いってことですよ。
まぁ男の嫉妬も混じってましたけどね。
恋愛は自由ですから。がんばれ~。
そして今。すっかり自宅マンションと化した宿のキッチンで絶賛料理中。
とっさにでっち上げたあたしの立場は食事をデリバリーする業者さん。
現代日本で会社とかにお弁当の配達してもらってたじゃない?
アレですよ。
詰所の食堂に行く暇もないほど忙しい隊長さんと副隊長さんにランチをデリバリーする注文を受けていた、というストーリーにしました。
将来おにぎり屋さんやるのにいい足がかりになるかもな~なんて下心込みの設定です。
まだ会ったこともない隊長さんと副隊長さん。ご協力ありがとうございます。
急ごしらえにしてはなかなかどうしてな出来栄えよね。ふふふ。
咄嗟に話を合わせてくれたヨルンさん本当にありがとう。
顔良し、頭良し、性格もたぶん良さそう(腹黒系の疑惑ありだけど)なうえ貴族でお金持ち。
天はいったい彼に何物与えたんだろう。
2物とか3物どころの騒ぎじゃないよね~。10物くらい?
それはまぁあっちに置いといて。
お弁当制作も大詰めです。
おにぎり(具は鮭とおかか)、唐揚げ、アスパラガスの豚肉巻き、大学いも、プチトマト、茹でたブロッコリーにはマヨネーズをたっぷり。
デザートにはブルーベリーマフィン。
昨日作ったスィートポテトも持って行ってあげよう。
あのあと急ピッチで食材買って帰ってきてご飯炊いたり揚げ物したり。
猛スピードで作った割にはまずまずの仕上がり♪
あとはポットにお茶を用意して。
ほうじ茶にしようかな。
和食にもデザートにも合うし。
端切れ布をいくつか縫い合わせて作ったキルト風ランチョンマットを入れて。お手拭き、紙ナプキンも忘れずに、っと。
全てを大きなバスケットに入れて時計を見れば。時刻は10時30分を少しまわったとこ。
青騎士団の詰所まで乗合馬車で30分くらいだよね。
初めて行く場所だし道が混んでるかもだし早めに出発しよう。そうしよう。
重たい荷物持って走り回りたくないしね~。
ちなみに乗合馬車はギルド前に停留所があるので部屋からドアトゥドアで2分くらい。
本数も30分に1本くらいあるしめっちゃ便利。
よくお世話になってます。




