17.採取と魔法
このお店で働き出してからもう1か月かぁ。
なんだかんだで異世界生活も1か月ってことですよ。
昨日初めてのお給料をいただいたのでご馳走作ってお祝いしました。
ギルドのできるお姉さんネリアさんと一緒に。
最近お店が休みの日はギルドの採取の依頼を受けていて。
必然的にネリアさんと接する機会が増えて仲良くなったの。
よくランチしたりうちに夕ごはん食べにきたりしている。
依頼受けてるといっても採取場所は街の女性たちもお気軽に行けるような近くの森とか川なのでめっちゃ安全。
だから街に住む人たちの大半は自分で取りに行くんだけどね。
忙しくて時間がない人たちとか貴族の人たちから依頼が出てるのよ。
採取に行くようになってまず最初に確認したかったのが魔法が使えるかってこと。
結果。まったく何の問題もなく使えました。
この世界の魔法は頭の中でイメージするだけでいいから魔力さえあればわりと簡単に使えるみたい。
厨二病的な詠唱が必要とかじゃなくてホント助かったよ。
魔法めっちゃ便利だね〜。
人前でうっかり使わないように気をつけないとなんだけど。
貴族はほぼ全員が魔法使えて魔力量も多め。
一般人は10人に1人くらいの割合で魔力量は少なめ。
そして大抵の人は火だけとか水だけとか持っている属性はひとつ。
2種類の属性持ちはすごく珍しいんだって。
その上魔力量も多かったりしたら国の宝レベル。
もちろん魔法は持ってる属性に基づいたものしか使えない。
水属性の人がお風呂に水をためて火属性の人がお湯にする。
あたし全部使えるのよ。火も水も風も土も。
お風呂の準備ひとりでできちゃうしお風呂出たあと髪の毛乾かすこともできちゃう。
ね?人前で使えないでしょ?
だから1人のときも時間ないときとか以外はなるべく使わないようにしてるの。
いつものクセで使っちゃった!!的なうっかりやらかしたくない。
珍獣扱いで国に束縛されたくないからね〜。
そんなわけで使えない前提で暮らしてるわけです。
もともと魔法のない生活してたからなんの問題もないし。
そんな感じで今の自分を知るためにギルドの依頼をちょこちょこ受けながらいろいろと試してるとこ。
薬草とかハーブなんかの植物の知識も得られるし、お小遣い稼ぎしつつ魔法の練習もできるしで一石三鳥なのだ。
とくに魔法の練習というか研究?がめっちゃ楽しい♪
この世界の魔法ってイメージが全てだから工夫すればいろんな使い方ができるの。
想像力次第で様々な魔法を生み出せるのよ。
火と風の魔法をかけ合わせてドライヤーみたいに使うとか、水と風でお風呂に入ったみたいに清潔にできるとかね。
それに森にはリスとかウサギとか小鳥とかの小動物がたくさんいてもふもふ好きの私にとってパラダイス♪
というわけでお店が休みの今日もお弁当作って森に来ております。
ぐー。
依頼の薬草の採取を終えたタイミングでお腹が鳴る。
ちょっと早いけどお昼にしようかな。
いつもの少し開けた場所にある大木の下でシートを広げて腰をおろし。持参したお弁当のフタを開ける。
いい匂〜い♪
今日のメニューは唐揚げときんぴらゴボウとツナマヨのお握りとキュウリの浅漬け。
デザートはミニアップルパイ。
「いただきま~す♪」




