12.勝負メニューは
トンカツめちゃくちゃ美味しかったです。
目からしょっぱい水が溢れそうになるのを我慢するのが大変でした。
もちろんキャベツの千切りとライスおかわりしました。
ちなみにライスのおかわりは普通盛りです。さすがに。
和食の正体はルエンカ皇国という国の料理。
ネイシェル王国の東側に位置する小さな国なんだって。
ネイシェル王国にお店ができたのはつい最近のことで店舗数も市場の中にあるこの3店舗だけなんだそう。
きちんとした飲食店はこのお店だけであとは食材屋さんと屋台。
だから知名度はまだまだなんですよ~と日本の友人によく似た顔立ちの女性が言っていた。
屋台で焼鳥とたい焼き以外にたこ焼きと焼きそばも販売してるという情報もGETした。
帰りに寄って全種類お持ち帰りしようと思う。
異世界2日目に市場の隅っこにひっそり佇むこの3店舗に出会えた奇跡。
ルエンカ皇国の存在とここに出店してくれたオーナーさんに心からの感謝を。
あたしが来る前にお店を作ってくれて本当に本当にありがとう!
小麦粉オンリーな生活じゃ早々に心と胃が折れてたよ。
これで確実に強く生きていけます。
ルエンカには食以外でも本当に助けてもらってる。
宿でも市場でも会う人みんなにルエンカ人みたいな顔立ちだと言われるので『ルエンカとの国境付近のド田舎出身』という設定にしたのよ。
これが大正解。
疑われることもなくみんな納得してくれるの。
かなりルエンカの血が濃いでしょ?とも言われたので『亡くなった両親が2人ともルエンカ人とのハーフだった』という細かい設定もできました。
お店の人達みんな日本人っぽい顔立ちなのよ。
背が高くてスタイルいいからハーフっぽい感じなんだけどね。
髪と瞳の色も黒とか茶色の見慣れた色合いで落ち着くわ〜。
ここにいるとホッとするなぁ。
ルエンカの人たちも私のこと他人とは思えないみたいでとってもフレンドリーだし。
本来は人見知りというかシャイな国民性らしい。
ルエンカ皇国っていろんなことが日本に酷似してるんじゃないかな。
ぜひ行ってみたい。ってか住みたい。
この食文化だけでも私にとっては幻の金属だというミスリルに値する価値がある。
うん。目標できた。
がんばって稼ぐぞ〜。
まずは明後日に向けての買出し&試作!
メニューはチキン南蛮に決めました。
ご飯がすすむ定番メニュー。
この世界にもマヨネーズはあるんだけどタルタルソースはないみたいなのでそれもポイント高いかなと。
用意されてなさそうと思われるものを買い揃えて宿に戻り夕ごはんを兼ねた試作をしてみたところ。
食欲そそりまくりな一品が完成。
みんな喜んでくれるといいな〜。




