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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第13章
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第68話 俺達は警備隊詰所を出る

 教会地区警備隊の隊長と話しに行った父さんは、思案顔で戻って来た。


「流石に隊長はあの魔導具を使用しないと約束してくれたよ。治安維持課の方にもすぐに連絡する、と。あの壮年の警備隊員は少し不満そうだったけど、隊長の説得で納得してくれた」


 ああ、それは良かった。いくら犯罪者に対してとはいえ、警備隊員が捕まえてすぐに罰を与える事は流石に許されなかったか。


「しかし、俺達はもうあの魔導具を触れなくなった。修理は治安維持課経由で国お抱えの魔導具技師に頼むから気にしないでくれ、だとよ」


「そうか」


 ソゾンさんは特に気にした様子もなく答えた。


「それから、司祭の取調に立ち会った。3つ目の魔導具なんて知らないと憤慨していたよ。まあ司祭が知っていたら、あんな面倒くさい構造にはなっていなかったはずだよな」


 地下に捕えていた犯罪者から魔力を吸い取る百手蛸型の魔導具。


 百手蛸型の魔導具から魔力を半分受け取り、カテリーナさんへの魔力補充に使っていたベッド型の魔導具。


 そして、百手蛸型の魔導具に残ったもう半分の魔力を受け取っていた可能性が有る、3つ目の魔導具。


 捕えていた犯罪者から吸い取った魔力を全てカテリーナさんに与えていたと思っていた司祭は、当然3つ目の魔導具の存在を知らなかった。。


 魔力の吸収と供給、本来なら1つの魔石で完結させる事も出来たはずなのに、それを2つに分けたのは利用者にバレずに吸収した魔力を中抜きする為だとソゾンさんは言う。


 これらの魔導具を作ったドワーフはいったい誰の為に、何の為に作ったんだろうか。


「カテリーナさんの介護を手伝っていた人達の中に、知ってる者が居るかもな」


 教会関係者の中にはあの秘密の通路を知っている人が他にも居るらしい。外部の人間で知っている者は、グレーテさんやアレックス……ああ、姉さんも知ってるんだった。


 彼らの中に、司祭やカテリーナさんを騙して魔力を奪い取っていた人間が居るんだろうか……。


 いや、シュベルト様の教会からも地下に行けるんだった。そちらの教会の関係者、もしくはヘルミーナさん達を襲った犯人が何か知ってるかも。


「ああ、ゲオルグが地下で捕まえた男も此処に移送されていたはずだな。一応警備隊に伝えておくか。そういえば、ニコル先生はどうだった?」


 えっ。ええっと、それは。


「ニコル先生はお仕事中だったので、依頼を手紙にしたためておきました。明日もう1度、確認しに行きます」


 ニコルさんを怒らせた事を思い出して戸惑う俺に変わって、ルトガーさんが明確に答えてくれた。


 父さんはその答えに、満足そうに頷いた。


「診療所が繁盛しているのを喜ぶのもどうかと思うが、ニコル先生の腕が周知されて、患者が集まって来るのは喜ばしい事だな」


 俺と姉さんのせいでニコルさんが怒っているというのは、絶対に黙っておこう。


「しかしニコル先生の治療を受けても、外部からの魔力供給無しで生活出来るようになるのは難しいだろうな。ニコル先生の治療で治るのなら、アリーも今頃魔法を使えるように」


 姉さんの事を口にした父さんが表情を曇らせる。


 そういえば、まだ姉さんが見つかっていなかった。姉さんはどこで何をしてるんだ?


「よし。じゃあ俺はもう1度隊長と話して来るから、外で待っていてくれ。俺達もそろそろ家に帰ろう」


 まだ姉さんの行方が分からないんだけど。


「アリー?アンナが付いているから大丈夫だと思うが……なら帰る前に幸甚旅店に寄ってみるか。他に寄りたいところは有るか?」


 いや、特に心当たりは無いかな。




 そんな訳で、俺達は警備隊詰所から幸甚旅店に移動した。

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