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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第1章 俺は異世界で発育する
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第2話 俺は姉さんを考える

 この世界に産まれてから、もう何日経過したかな?


 30日くらいまで数えてたけど、途中で分からなくなって止めてしまった。


 なんとなく室温が上がってきた気がする。この世界に四季があるなら夏くらいだろうか。


 気温の上昇と共に、この身体が成長しているのを実感する。


 最初は開き辛かった眼も、今ではお目々ぱっちり。色や形の区別が出来るようになって、人の顔を判別出来るようになった。じーっと見ないと直ぐには分からないんだけど、母親の顔はバッチリ分かる。


 まだ喋れないけど、段々と音を聞き分けることが出来るようになった。

 俺のことはゲオルグって呼んでいると思う。俺の名前だろうか、もしかしたら赤ちゃんって意味かもしれない。


 身体能力の方はそこまで大きな変化はない。起き上がるどころか、寝返りもまだ打てない。自分で動かせるのは手足と首だけだけど、産まれた時よりは格段に動く。前世の嫌な記憶があるから、少しでも動かせるのが嬉しい。


 色々見えて、色々聞き分けられるようになって気付いたんだが、この家はきっと裕福だ。両親以外に色んな人がいる。服装が統一されているから、使用人かな。

 それと、母親以外の人から授乳されている。これがよく聞く乳母って存在だな。初めて母親以外の人から授乳されていると気づいた時は、なんか恥ずかしかった。お腹空いてたから飲んだけど。


 大人の他に子供もいる。

 乳母さんがたまに連れて来て、俺の横に寝かせる子。乳母さんの子供っぽい。

 男の子かな?女の子かな?見た目だけじゃ分からないね。

 そんなに泣かないで。乳兄弟でしょ、仲良くしようよ。

 まあお互い何言ってるか分からないと思うけどさ。


 それともう1人、俺が母親に抱かれていると必ず寄ってくる女の子。こっちは間違いなく姉だと思う。

 ごめんね、気持ちは分かるからそんな顔しないでよ。君からお母さんを奪うつもりは無いんだ、成長するまでちょっと待ってね。


 前世の家族は両親と妹だけ。親戚ではたまに祖父母が来るくらい。両親共働きで不在がち。その環境に特別不満は無かったけど、家族が多くて、いつも誰かが居るっていいね。




 あれ?姉さん、どうしたの?

 1人で来るなんて珍しいね、いつもは母さんと一緒なのに。


 俺を囲ってる柵を乗り出して来てるけど、あんまり体重かけると柵壊れるぞ。


 んー、何か言ってるけど分かんない。


 顔付きから想像して怒ってる感じ。母親を取られる嫉妬で怒ってるのかな。喋れるようになったら謝るから、もうちょっと我慢してよ。


 どうしたら気持ちが伝わる?僕は姉さんの敵じゃ無いよ。


 あっつい。


 顔が凄く熱かったけど、なに?姉さんの手から炎が出たように見えたよ。


 ちょっと、もう一回やって。


 あっついいい。


 さっきより近いからさらに熱い。でも確実に炎が出た。小さいのにもう魔法が使えるんだね、すごい。


 出来るだけ大袈裟に喜ぼう。満面の笑みで。声を出すのは苦手だけど、笑い声も付けるよ。


 あ、火傷は気にしないで。今はちょっとヒリヒリするけど、直ぐに治るから。


 だからそんな顔しないで、もっと魔法を見せてよ。


 あらら、行っちゃった。


 姉さん大丈夫かな。誰か姉さんを助けてあげてよ。あれじゃあいつか潰れちゃう。


 もう、早く喋れるようにならないかな。ごめんね、姉さん。このことは墓場まで持って行くから。大丈夫、誰にだって黒歴史の1つや2つあるから。




 あ、姉さん、今日も来たの?昨日はあれから会わなかったけど大丈夫だった?


 今日は柵を乗り越えて来ないんだね。


 両手いっぱいに土を持ってるのが見えるけど、それをどうするのかな?


 おおおお。


 手の中で土が動き出した。それも魔法?


 丸くなったり、四角くなったり、色々形を変えながら動いている。


 土を操作する魔法なのかな。更に上達するとどんなことが出来るんだろう。楽しみだね。


 もう終わり?また見せてね。


 なんとなく満足げだった。昨日とは顔付きが違った。


 俺に魔法を見せることで気が紛れるなら、いつでもどうぞ。




 なんか俺、みんなのおもちゃにされてない?


 あれから姉さんは毎日欠かさず魔法を見せに来ている。


 それに気付いた誰かが、俺に魔法を見せに来た。いつもの姉さんの時と同じような反応をしたら、その日から取っ替え引っ替え人が来るようになった。


 俺の反応を見て楽しんでる感じだ。一度無視してみると相当ガッカリして帰って行った。なんとなく心が痛んだから、ちゃんと反応するようにしている。


 まあでも、姉さんの魔法を見るのが一番楽しい。


 毎日違う魔法を見せてくれる。日に日に技術が進歩していくのを感じる。


 俺の身体の成長と共に、姉さんの魔法も一緒に成長している。


 姉さんは、もう最初に魔法を見せてくれた時のような顔はしていない。


 いい顔で笑うようになった。これなら安心。




 出会いはギクシャクしたけど、俺は今の姉さんが大好きだ。


 俺はこの世界でもシスコンになりそうだ。


 ロリコンじゃないから、まあいいか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔法で殺しに来てる姉ですよね?
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