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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第11章
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間話 アマちゃんの介入

 地上を覗くマギーが難しい顔をしています。


 傷んだ物でも食べてお腹が痛くなったんでしょうか。


 我慢せず、早めにトイレに行く事をお勧めしますよ、ハハハ。


「……」


 私の戯言も耳に入らないくらい、マギーは集中して下界を観ていますね。何がそんなに気になるんでしょうか?


 は!?もしかして、今ならどんな悪戯をしても怒られないのでは!?


「怒るよ。邪魔だから帰ってくれ」


 なんだ、無視されていただけですか。


 しかし無視は無視で辛いですが、帰れって言われるのはもっと辛いですね。しかも邪魔ですって。


 マギーの仕打ちに傷ついた私は大人しく帰ることにしましょう。せっかく遊びに来たのに、残念です。




 数日後、マギーはまた難しい顔をして、地上を監視していました。


 そこまで気になるのなら視るだけじゃなくて介入したらいいのに。


 視るだけでずっとヤキモキしているなんて、私には我慢出来ませんね。


 ところでマギー、今日はお団子を持って来たんですよ。みたらしと餡子。ちょっと休憩して、お茶にしませんか?


「……」


 今日も無視ですか。まったく、友達甲斐の無い人ですね。


 何がそんなに気になるのか、私もお団子片手に見てみましょうか。


 おお?


 女の子が戦ってますね。あの子は見たことがあります。桃馬さんとよく一緒に居る子ですね。


 相手は誰でしょうか。結構な数に囲まれていますね。1人対多数。しかも相手は成人男性ばかりのようです。


 よくわかりませんが、ここは女の子の方を応援しておきましょう。




 そこだ!いけ!攻撃です!


 あー、もう!


 なんで攻撃しないんですか!相手は隙だらけですよ!


 女の子はさっきから相手が放った魔法を相殺する事に専念して、全く攻撃しません。


 かと言って相手から逃げようとするわけでもない。相手を挑発して、自分に意識を向けさせようとしているようにも見えます。


 なんて不思議な戦い方をする子でしょうか。


 私には理解出来ませんね。


「周囲の家屋を破壊しようとしている奴らから守ってるんだ。理解出来ないのなら黙ってろ」


 マギーが怖い顔をしています。今日もイライラ、ご機嫌ナナメですね。


 みたらし団子を食べて、糖分補給しません?


「……」


 要らないみたいです。餡子を乗せたお団子も有りますけど?


 まあ、要らないのならいいです。私の胃袋に納めてしまいましょう。




 ああ!


 ついに一撃を喰らってしまいました!


 野次馬の中に居た小さな女の子に向けられた攻撃を庇ったのは良いものの、その攻撃が自らの後頭部に命中してしまうなんて。


 やはり多勢に無勢。


 多数からの攻撃を捌き切れませんでした。


 家屋や通行人を守ろうとせず、自らの体だけを大事にしていれば勝ち目は有ったかもしれませんが……。


 残念です。


 当たりどころが悪かったのか、女の子はふらふらと蹌踉めいています。そんな状況でも、庇った小さな女の子を逃がそうとする心意気は立派です。拍手を送りましょう。


 が、あらら。


 戦っていた相手からの追撃が止みません。


 動けない女の子に向かって四方八方から魔法が撃ち込まれます。


 女の子は足を止めて必死に防ごうとしていますが、その動きは先程までの精彩を欠き、酷い有り様です。


 隣で見ているマギーが歯を食いしばって堪えているのが分かります。歯軋りの音って不快ですよね。


 この星全体を管理する神として1人の女の子の小さな戦いに手出しは出来ない。なんて硬い事を考えているのでしょう。


 ならば部外者の私がこっそり手出ししてあげますか。マギーにバレないようにこっそりとね。


 私はマギーに見つからないように、食べ終えた団子の串を下界に投げ落としました。


 3本の串は目にも止まらぬ速さで落下し、動けなくなって地面に倒れ伏した女の子の周囲に突き刺さります。


 結界発動。


 3本の串が三角錐の結界を作り出し、内部に取り込んだ女の子を相手の魔法から守ります。


 相手は結界が張られた事に気づいていないようで、火や水の魔法を撃ち続けていますね。


 ハハハ、そんな魔法効きませんよ。象が踏んでも壊れない強靭な結界ですからね!


「おいバカ!何やってんだ!」


 流石にマギーにはバレてしまいました。


 でも私は悪い事をしたつもりはありません。あのまま魔法を喰らい続けていたら女の子の命が危なかった。だから、助けたんです。


 桃馬さんの知り合いを助けて恩を売ろうとかも考えていません。


「なんであろうと勝手に介入するな!私の世界から出てけ!」


 憤怒の表情を作ったマギーは、私の結界を破壊しました。


 結界を失った女の子は再び魔法の脅威に晒され、最終的に踏み付けられて手足を折られてしまう羽目に。


 病院に搬送されて命は助かったようですが、本当にそれで良かったんですか?


 マギーは答えません。黙って唇を噛んでいました。




 あれからマギーのところへは行っていませんが、マギーは大丈夫でしょうか。


 少しは気が晴れていると良いですが。


 私達がどこまで地上世界に介入するか。難しい問題です。


 まあ私はちょくちょく自分の世界に介入していますがね。だって私を慕って祀ってくれる子達には手助けしてあげたくなるじゃないですか。


 しかしマギーはそうじゃない。心を鬼にして、介入しないように我慢している。


 昔はマギーもよく介入していたんですけどね。介入し過ぎた結果色々あって、トラウマになってしまったんでしょうか。


 何が有ったか知りませんが、嫌な事はさっさと忘れて、頭を軽くして欲しいものです。


 そんな時にはやっぱり糖分補給が大事です。前回は和菓子でしたが、今回は生クリームをたっぷり使った洋菓子を持っていきましょう。ふふふ、美味しいんですよね、あれ。


 それでは早速地上と交信です。美味しい洋菓子を送ってもらいましょう。あと、紅茶の茶葉も。


 もしもし、誰か聞こえますか?もしもし?

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