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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
序章 俺は異世界に転生する
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閑話 アマちゃんの企み

少し遅れました

「ああああ、やああっと終わったああ」


 取り敢えずベットにダーイブ。ちょっとゴロゴロします。

 あー、甘いものを食べてゆっくりしたい。


「まったく、桃馬さんは冗談っぽくしてましたけど、本気で殴ろうとしてましたよね。怖かったです」


「神ヲ殴ロウナンテ、トンデモナイ奴ダナ。怖カッタネ、ヨク逃ゲズニ我慢シタヨ。エライ、エライ」


「ふふふ、これくらい大したことはありませんよ。私は後3回変身を残していますからね。本気を出せば桃馬さんに負けませんよ」


「神が人間相手に本気を出そうとするんじゃない」


「いったああい」


 だ、誰ですか、私の頭を叩いたのは。バカになったらどうするんですか。


「ちょっと小突いただけだろ。大袈裟な」


 感じ方は個人によって差があると思います。


「ちょっとマギー、なんでここに居るんですか。桃馬さんの処理は終わったんですか?」


「終わったよ。割と素直に話を聞いてくれて助かったよ」


「なんでですか、私のことは殴ろうとしたのに」


「まあ原因がお前だから仕方ないだろ。それにしてもお前、アマちゃんって呼ばれてたぞ。アマチュアの神さまだってさ、言い得て妙だな」


 な、なんですって。


「桃馬さんにアマちゃんなんて馴れ馴れしく呼ばれる筋合いはありませんよ」


「怒るところ、そこなの?」


 当然です。私は偉いんですから。せめて様付けにしてもらわないと。

 まあ今回は私の失態なので、アマチュア呼ばわりは甘んじて受けます。


「そんなに威厳を高めたいなら、ぬいぐるみに話しかけるの止めたら?アマちゃん」


 ちょっと、アマちゃん呼びを広めないで下さいよ。


「別にいいじゃないですか、可愛いですし。これなんて日本の新作ですよ」


「ぬいぐるみはいいんだよ。腹話術みたいにするのは止めたら?って言ってんの」


「わ、私の寝室にズカズカ入ってくるのはマギーだけですよ。あなた以外に見られる心配は皆無です。マギーの方こそ、勝手に寝室に入ってくるのを止めてください」


「ノックはしたよ」


「その割にはこっそり背後まで侵入して来たようですが」


 気配を消して攻撃してくる人が、ノックなんてしないと思います。


「まあその話はいいじゃないか。それより桃馬と約束して来た。アマちゃんと定期的に連絡するって。だから妹ちゃんのアフターケアはしっかりやってやれよ」


 え、なんでそんなことを。


「どうせ何もやらずに放置するつもりだったんだろ。桃馬の家族もお前の被害者なんだから、ちょっとくらい要望を聞いてやれよ」


 なんでこの神はそこまで面倒見がいいんでしょうか。理解出来ません。


「そんなに嫌そうな顔をすんなって。じゃああんたを助けてやった私の願いとして聞いてくれよ。アマちゃんが桃馬に入れ過ぎた力は放って置いたら暴発していたんだぞ。それを私の世界で引き受けて、力を封印する処理までしてやったんだから、感謝して言うことを聞いとけって」


「私がちゃんとマギーの世界へ行くよう誘導したから上手くいったんです。マギーだけの手柄ではありませんよ」


 確かにマギー以外の神には受取を拒否されましたが、私も頑張って桃馬さんと交渉したんですからね。


「そっかぁ。私のお願い、聞いてくれないのかぁ。悲しいなぁ。せっかくシュベルトに内緒で引き受けたのに。この悲しみをシュベルトに伝えて慰めてもらおうかな」


 くっそ、脅されています。シュベルトはマギーと一緒に世界を管理している神ですが、頭が硬いんですよね。この件を知られたら絶対怒られます。


「わかりましたよ。定期的に様子を見て、困ってたら手助けをしたらいいんでしょ」


「よろしくな。偶に桃馬と回線を繋げるから、サボってるとすぐバレるぞ」


 ちくしょう、逃げられないんですね。


「地球は神がいっぱい居るから暇だろ」


 暇じゃないですよ。毎日いろんなところを見回ってて忙しいんですから。


「あ、そうだ。また何か新しいDVD貸してくれよ。いつも通り魔法が出て来る奴な」


 あ、そうだ、じゃないですよ。絶対そっちが本当の用事ですよね。


「魔法なんていつも見てるでしょうに」


「魔法を使えない奴らが想像で描いた作品を観るのが面白いんだよ。アマちゃんも観たらどうだ?」


 観てますよ、私の私物を貸してるんだから。


「そろそろブルーレイレコーダーに変えてくださいよ」


「まだ壊れてないからいいんだよ」


 そういうことじゃないんですよ。私のレコーダーはブルーレイなんですよね。ブルーレイとDVD両方集める私の身にもなってください。


 あー、これにしましょう。お邪魔な魔女っ子の奴。取り敢えず無印を渡して、気に入ったらシリーズを与えて時間稼ぎですね。


「おし、じゃあ帰るわ。また連絡するから、しっかりやりなよ」


 ふう、やっと帰ってくれました。マギーは嫌いじゃないんですけど、ちょっと強引ですよね。


 じゃあちょっと妹さんの様子でも見てみましょうか。


 まだ眠っていますね。桃馬さんが亡くなったことを知ったらどう思うでしょうか。


 桃馬さんにはバレてましたけど、妹さんにも力を与えています。まだ妹さんは力の本質に気付いていませんが。


 今後、力に気付いたらどうするか楽しみですね。


 魔女っ子も言ってました。


 不思議な力が湧いたらどーしよ?


「ドースル?」


 ふふふ、きっと気に入ってくれる筈です。

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