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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第1章 俺は異世界で発育する
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閑話 アマちゃんの日常

「アマちゃん、最近調子どう?」


「どう、と言われても。普通ですよ」


「そう?私はちょっと悩んでることがあってさ」


「誰も聞いてませんよ」


「桃馬が最近魔法の練習をしてるんだけどね」


「聞いてないのに話を続けるんですね」


「桃馬が全然魔法を使えないって定期的に報告して来るんだよ」


「そうですか、大変ですね」


「でもあいつ、魔法は使えないじゃん?」


「治癒魔法のせいですから、仕方ないですね」


「悩んでいる桃馬に何時その事実を伝えようかと、私も悩んでるんだよ」


「さっさと伝えてスッキリしたらいいじゃないですか」


「え、いいの?」


「魔法が使えないのは治癒魔法の代償なんですから、文句は言わないでしょ」


「魔法が使えなくなるなんて聞いてないって言われたらどうする?」


「聞かれなかったから答えませんでした、と言います」


「それは冷たくね?」


「もうどう足掻いても変わらないんですから、いいじゃないですか」


「それはそうだけど」


「桃馬さんを受け入れて頂いたのは助かってますけど、マギーの心のケアまでは御礼に含まれていませんよ」


「冷たいねぇ」


「マギーが桃馬さんに肩入れし過ぎなんですよ」


「そりゃあ桃馬に何かあって困るのは私の世界だからな」


「しっかり力を封印したんだから、そうそう暴走なんてしませんって」


「桃馬に入ってるのがアマちゃんの力だから心配してるんじゃないか」


「私の力だからきっと半分は優しさで出来ています。マギーは心配性なんですよ」


「だったらもう半分は冷たさで出来てるな。この冷血漢」


「うら若き乙女に向かって漢とはなんですか」


「あんた何万年生きてんだよ」


「マギーもですけどね」


「2人とも集中してやらないと何時まで経っても私を追い抜けないんだよ」


「ちょっとマキナ、急にスタートしないでください」


「そうだ、自分だけスタートダッシュしてずるいぞ」


「楽しく遊んでる最中に喧嘩し始める2人が悪いんだよ」


「喧嘩なんてしてませんよ。桃馬さんのこと、シュバルトはなんて言ってるんですか?」


「最近喋ってない」


「喧嘩ですか?」


「まあ、そんなところ」


「2人しか居ない世界なんですから、喧嘩しない方がいいですよ」


「喧嘩の原因はアマちゃんだけどな」


「あら、私の取り合いですか?モテる女は辛いです」


「取り合ってねえよ」


「なら私がアマちゃんを頂くんだよ」


「ありがとうマキナ。私はいつでもマキナに貰われていきますよ」


「だぁ、話がややこしくなる」


「マギーがさっさと喧嘩の原因を言わないから、マキナが場を和まそうとしただけでしょ。ほれ、早く言いなさいよ」


「アマちゃんがこの前貸してくれたDVDの内容でちょっと言い合いに」


「そんなことで、とは思いますが。主要キャラが退場するところで意見が分かれたんでしょ」


「私はああいうのは嫌なんだけど、シュバルトは死を表現するのは大切なことだと言うんだ。子供向けのアニメでそこまでする必要ある?不死騎団長みたいに何度も復活したらいいのに」


「最近のアニメは大人向けな部分もありますからね。マギーのそういう所は好きですけど、感情移入しすぎるから桃馬さんのことも割り切れないんですよ」


「私は仲間や知り合いが傷つく所を見たくないだ。悩んでる桃馬が可愛そうだろ」


「マギーはVガンを見たら、きっと発狂するんだよ」


「ははは、そうですね。ロボット物は多かれ少なかれ戦死しますから。悲しいけどこれ、戦争なのよねってね」


「私はそういうのは遠慮する。シュバルトは喜ぶだろうけど、私はアニメに癒しと可愛らしさを求めているんだ」


「はいはい、今後は注意しますよ。今日渡すDVDは魔法を使えなくなった魔女が奮闘する物語ですよ。私が大好きな映画なのです」


「ありがとう、でもシュバルトのためにロボット物も貸してくれ」


「はいはい、さっさと仲直りして桃馬さんの件をよろしくお願いします」


「わかった。魔法が使えないことはいつか言うからな」


「はい、また私が一位なんだよ」


「ちょっとマギー、なんでトゲ甲羅投げないんですか」


「私が投げたらそのずっと持ってるスターで駆け抜けるつもりなのが分かってるからだよ」


「協力しないとマキナには勝てませんよ」


「そんなこと言いながら出し抜く気満々じゃねぇか」


「喧嘩していると私には勝てないんだよ」


「喧嘩じゃないです」「喧嘩じゃねえよ」


「はいはい、仲が良いのはわかったから協力してかかって来なさい。じゃないといつまで経ってもおやつは私の物なんだよ」

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