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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第4章
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第66話 俺は村の教育方針を説明する

 早朝、6時10分前、夏が近づきどんどん過ごしやすくなってきた時間帯に、俺は動きやすい服装に着替えて村の広場へと集合する。


 既に集まっていた人達と朝の挨拶を交わし、世間話をしながら集合時間を待つ。ぽつりぽつりと人が増え、朝6時の集合時間には誰も遅刻せずに集まった。


 これからラジオ体操の時間。

 皆で声を揃えて体を動かす。村を作り始めた当初から傭兵団が参加し、団員の家族が合流してからは更に人数が増えた。最初は戸惑っていたが、奥さんも子供達も今はしっかりと体を動かせている。


 前日にユリアーナさん達にも声を掛けておいたから彼女らも広場にやって来ている。馬車での長旅に疲れていたのかまだまだ眠たそうな子供も居るな。宿のベッドは快適だったかな?


 今日は見学してもらっているが、大人はともかく子供達は全員参加にするつもりだから、早起きには早く慣れて貰いたい.




 ラジオ体操が終わると子供達はランニングか剣術稽古を行う。姉さんは毎日走っているが、俺より年下の子供達はランニングと剣術稽古を隔日で交互に行っている。ただし2歳以下の子供はラジオ体操で終了だ。軽い体操ならともかく本格的な運動は3歳になってからと決めた。3歳の子も運動時間は短いけどね。自分も自分もと子供達は参加したがるが、ゆっくりと体を作って行ってほしい。


 今日は剣術稽古の日。

 姉さん達を見送った後、俺達はジークさんの指導の元、1時間ほどの剣術稽古を行う。傭兵団員も各々稽古を行い、参加しない人達は食事の準備や他の仕事に向かって動き出す。


 大人達は刃を落とした模擬剣を使っているが、俺を含めて子供達には最近育ってきた竹で作った竹刀を渡している。真剣と重さが大きく異なるから竹刀に慣れると後々困るんじゃないかと大人達に言われたが、成長期に重い剣を振りまわすのはどうかと思う。色々説明した結果、入学する前年までは素振りも打ち合いも竹刀で行くと最終的には理解してくれた。

 姉さんの話では、学校では1年目から剣術の授業があってそこでは子供用とはいえ金属の重たい剣を使っていると言うから、入学の前年から通常の重さの模擬剣に持ち替えて慣れさせることになった。


 走り終えた姉さんは剣術稽古に加わり、エステルさんは温室の管理に向かう。温室では今、二期目の薬草栽培が始まっている。武闘大会前には一期目の薬草が収穫されて薬となり、王都に運ばれ王宮と冒険者ギルド、それとニコルさんの診療所に販売された。武闘大会で怪我をした参加者にも使われたらしい。


 薬の販売はかなりの収益になり舟購入の足しになったと俺も父さんも喜んだが、ただ一つだけ問題があった。薬草を薬に調合出来る人がエステルさんしかいないことだ。収穫後から何日も夜遅くまで調合していた。一度様子を見に行ったけど何をやっているのか全く分からず、手助けも出来なかった。流石の姉さんも手を出さずにじっと見守るだけだった。

 収穫後から一月近く経ってもまだ調合を続けている。薬草には乾燥させる必要がある物もあるから、調合に時間が掛かるのは仕方ないんだってエステルさんは言っていた。せめて暫く学校を休んでゆっくり寝たらどうかと提案したら逆に怒られてしまった。


「私の体を心配してくれるのは嬉しいんですが私は大丈夫です。学校でアリーちゃんやエマちゃんと一緒に居るのが楽しいので、それを奪わないでください」


 そう言われてから俺は何も言わなくなった。父さんにもそのことは伝えてたら、俺より前に同じ怒られ方をしたと言っていた。親子だな。

 せめて温室の管理が出来る人が居ればいいんだが、なかなかエステルさんのお眼鏡に適う団員が居ないみたいだ。




 だいたいいつも7時半頃に朝食の準備が出来る。それに合わせて皆汗を流し、各家庭で朝食を頂く。今日はユリアーナさん達の分も作る必要があったから、宿屋の食堂を使って皆で食べる事にした。村を作っている当初は男爵家と建設部隊と傭兵団で仲良く食事をしたものだ。偶にはこういうのも良いよね。

 痩せた子供達はまだ胃に優しい食事だが、不満を述べることなくバクバク食べている。食べ過ぎずに腹八分目で済ませるよう注意しているユリアーナさんが大変そうだった。




 朝食を食べ終え、迎えに来たアンナさんと姉さん達が王都へ向かった後は、マルテの魔法教室が開催される。

 子供達は火魔法と土魔法を自在に操れるよう目指し、その2つが合格点に達した者は風魔法を習い始める。ただし飛行魔法は5歳以上と決めた。姉さんはもっと早くから使い熟していたけど、失敗して落下すると危ないからね。5歳以上と決めたのは魔力検査を見据えて使える魔法の種類を増やしておきたいからだ。


 風魔法を習得した子は先生を変えて金属魔法を習う。先生はマリーだ。マリーはソゾンさんから鍛冶も教わっているし、団長とクロエさんに金属魔法を覚えさせた実績もあるからね。

 魔力検査までに金属魔法から水魔法までを習得することが大きな目標だけど、無理はしないように言ってある。特に来年魔力検査を迎える子にはもう時間が無い。魔法の種類を増やすことも大事だけど、技能試験の為に個性溢れる魔法を編み出してほしい。


 子供達の中には獣人族の子が2人居る。その子達は両親から秘技を習う。両親から技を引き継ぐのも大切だ。両親から許可が下りたら、マリーの下で鍛冶を行う。団長の息子も鍛冶を習わせたいんだけど、まだ2歳だからな。もう少し成長するまではマルテから火魔法を習わせている。


 子供達の両親ともしっかりと話をして教育計画を決定している。

 魔法教室を見学しているユリアーナさん達にもそれを話した。新しい子供達の中には獣人族の子供に加えてドワーフ族の子も居る。マリーの鍛冶を興味深そうに見ているが、ドワーフ族は最初は土魔法からだろうな。今度王都に行った時、どう教育していくべきかソゾンさんとヤーナさんに相談しよう。

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