表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第4章
208/907

第7話 俺は村建設の計画を練る

 村建設予定地は東側にある小高い山から続く傾斜地だ。お昼過ぎになった現時点では日光が燦々と降り注いでいるが、山に遮られるから朝方は日当たりが悪そうだ。山を東に越えると他貴族の領土となり、向こう側は川が流れて農業を行いやすい土地らしい。対するこちらの領地は、恐らく以前は畑を作って農業をしていたと思われるが、水路が作られた西の土地に移住したのか、放棄された荒れ地になっている。


「公爵も罪深い男だ。折角先祖代々が水路をコツコツ作って領内を富ませたのに、変な考えを起こさず先代の遺言を守っていれば、もっと力を手に入れられただろうに」


 爺さんが荒れ果てた土地を眺めて肩を落とす。もしかしたら公爵の父親と知り合いだったんだろうか。


「まあ間違ってしまったのは仕方ない。我らでこの地を立派な土地にしてやろう。まずは滞在する為の屋敷と塀を作ろうか」


 気持ちを切り替えた爺さんが部隊に指示を出そうとしたところで、待ったをかける。


「今回作る村の目玉は温室で作る薬草なので、先ずは温室の場所を決めたいです。なるべく日当たりがよく、水路に近い所は温室に割り当ててください」


「ふむ。ゲオルグの言う通りだな。よし、暫くは昼飯を食べながら休憩だ。儂達はソゾンさんとシビルさんを交えて温室の場所を決めよう」


 部隊に改めて指示を出した爺さんの後ろに引っ付いて、首脳会議に参加する。いつのまにか建てられていたテントに主要人物が集まって来た。


「薬草達は日照時間の管理が大事だから、山から離した方が良い。竹藪は山側でも構わない」


 植物学の専門家、シビルさんからのコメント。


「あの川から水路を引っ張って来るのなら、なるべく平坦な場所じゃないと無理じゃな。魔導具で給水するなら話は別じゃが」


 ソゾンさんの意見。魔導具でポンプを作ってもいいけど、船が通れるようにしたい。水量の管理は水門を使うのが良いと思う。


「水が足りないのは北から北西に住む農民達だ。そこに供給しやすくするため、出来るだけ北に貯水池を作りたい」


 父さんが近隣住民との約束を履行するために発言する。近隣住民と言っても住んでいる家はずっと向こうだけど。


 ざっくりとした地図に、取り敢えずの建設場所を明記していく。今日は建設しない。シビルさんの提案を受けて、早朝の日当たりを考慮して温室の場所を決める事になった。温室管理の為にフリーグ家の屋敷を近くに建てる。日当たりを邪魔しないよう温室と屋敷を塀で囲う。塀の外に伸びる道をどうするかでしばらく揉めた。俺は格子状にしたかったのに、父さんは放射状にしたがっていたから。


「屋敷の南側に市場用の土地を設けて、そこから各方面に道を伸ばして行った方が良いだろ。それなら村の外のどこからでも真っ直ぐ市場まで来れるし、市場と屋敷が村の中心となる。格子状なら何度か角を曲がらないとダメだろ。馬車は直角に曲がる事が難しいから、あまり利点は無いんじゃないか?」


 お、おう。


「斜めの道があると土地の面積を計算し辛くなるし、建物も変な形になる。農地にしても出来れば正方形か長方形で作った方が税収を計算しやすい。新たな都市計画には格子状が合ってる。それに放射状は発展して脇道が増えてくると、方角が分からなくなって迷いやすくなる。格子状は東西南北が分かるから目的地までの道順が分かりやすい」


 放射状を主張する父さんに対して直ぐに言葉が出てこなかった俺に変わって、ドーラさんが利点を語ってくれた。ドーラさんにそういう知識が有ったなんて意外だ。お酒と戦いにしか興味無い人だと思っていてすみません。


「ドーラさえ良ければ、この村の管理を任せてもいいんだけど」


「嫌だって何度も言ってるだろ。私をこの土地に縛りつけたいのなら、毎日何杯飲んでも無くならないくらいの酒蔵を用意しろ」


 俺の謝罪を返せ。まずは酒造りから始めるかとか父さんも真面目に考えないで。




 ドーラさんの後押しもあり、村内の道は格子状と決定した。道に沿って区画を整理し、倉庫や住宅、馬車の停留所を建設していく方針となった。畑や牧場は一番最後だけど、馬車に繋がれたままになっている馬の放牧地は早めに用意してあげたい。


 ぐぅっと誰かのお腹が鳴った。昼食の事を思い出してテントから出ると、姉さんが唐揚げを皆に振る舞っていた。どうしたのそれ。


「お腹空いたから家に戻って作ってもらった。まだまだ作ってもらってるから、暗くなる前にまた行ってくるね」


 俺に唐揚げを差し出しながら自慢げに話す。相変わらず飛行魔法が便利で羨ましいが1人で飛んでいくのは危ないよ。


「私は1人で行くつもりだったんだけど、マルテがついて来たから」


 マルテありがとう。

 自由に飛び回る姉さんには困ったもんだ。姉さんを飛ばさずに束縛するのは難しいから、迷わず帰って来られるように灯台でも作ってみる?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ