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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第4章
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第3話 俺は入植希望者を募集する

 シビルさんから協力を得て新たな商売をする材料は用意できそうだ。次は土地だな。父さんは上手くやってくれているだろうか。なるべく日当たりが良い所をお願いします。


 父さんが領地に行って色々と手続きをしている間に、エステルさんが学校の寮から荷物を引き上げて男爵邸で暮らすようになった。まだ入学前なのに忙しくさせて申し訳ない。


「大丈夫です。寮生活に少し慣れなかったので。私は自然の中で暮らす方が好きです」


 それならいいんだけど。毎日通学に往復2時間掛かるらしいよ。


「毎日風を感じられるのは嬉しいです」


 ま、こっちも助かるからウィンウィンの関係だね。そうだ、シビルさんとの関係を聞いてみるか。


「シビルさんが何も言わないのであれば、私から何かを言うことは出来ません。女性の秘密を覗き見るのはダメですよ」


 無理矢理作った笑顔で対応されたように感じた。聞いてはいけない複雑な関係があるんだろうか。




「よし、土地を確保したぞ。水路の建設用地も大丈夫だ。ただし近くの農地まで枝路を作る条件を押し付けられたがな」


 将来的に領地全体を運営するのなら、余分に枝路を作るのは悪くない。農業にも運送にも水路は大事だ。小型船がすれ違えるくらいの立派な水路を作ってやろう。


「ヴルツェルの爺さんに人を借りて村を作ろう。あの水運の砦を作った爺さんの建設部隊なら、数日で形に出来るよね。ドーラさんが待っててくれる間に、竹や薬草を植えられるようにしたいから急ごう」


 父さんはすぐさまヴルツェルに連絡する為冒険者ギルドへと駆け出した。後は村が出来た後、そこに住んで働く人が必要か。どこかから移住してくれる人がいると助かるんだけどな。父さんが戻って来たらその辺りを相談しないとな。




「住民は難しい。しばらくは家だけ作って無人にするしかないかな。治安維持の為に冒険者を雇って住まわすか」


「冒険者を退職する人が居ついてくれたりしないかな」


「う~ん。一応ギルドマスターに相談して来るか。王都だけじゃなくて国内のギルドに連絡したら、数人は見つかるかもな」


 またすぐに外出しようとする父さんをちょっと待ったと引き留める。この行動力は明らかに姉さんが受け継いでいるな。


「仕事内容はとりあえず村や水路周辺までの治安維持で。農業や林業に興味がある人も探してほしい。あと出来れば家族も一緒に入植してくれる人が良い。初期に入植してくれた入学前の子供には、魔法や剣術を無料で教えると伝えて。教師はジークさんとマルテにお願いしようと思う。たぶん引き受けてくれるはず」


「分かった。じゃあ行ってくる」


 この国の人が子供の教育をどこまで重要視しているかは分からないけど、今出せる利点はこれくらいしかない。教師陣は何処にも負けない自信が有るから、是非子供が集まって欲しい。




「ん~。これは困った。どうしよう」


 冒険者ギルドへ相談しに行った翌日、父さんがギルドマスターに呼び出された。呼び出しから帰宅した父さんに何を困ってるのか聞いてみる。


「それがな、昨日国内中のギルドに連絡した住民募集の情報を見て、さっそく声を上げてくれた人が居たんだ」


「よかったじゃない。我が村に住んでくれるってことだよね」


「うん、まあ、そうなんだけど」


「なんだよ、はっきり言ってよ」


「働き手として40人。家族を含めて100人以上の入植希望だそうだ」


「は?騙されてるんじゃない?」


 騙すにしても規模がでか過ぎるだろ。もっと信用しやすい人数にしろよと言いたい。


「な、そう思うよな。怪しすぎるからギルドマスターに調べてもらってるんだ。どこかの貴族領から逃げ出してきた村民なら入れ辛いし、嫌がらせや妨害をするための人を紛れ込ませているのかもしれない。人は欲しいが、怪しすぎるから困ってるんだ」


「逃げてきた村民なら受け入れてあげたら?」


 1つの村から逃げてきたらそれくらいの人数になる、か?


「そう簡単には行かないんだ。例えばその40人が農民だったとして、どれだけの農地を放棄して逃げて来たのか。その農地が耕せなければ貴族は税金を払えない。受け入れたのがばれたら人を返せ、もしくは代わりに税金を払えと言われるんだぞ。どの貴族も領民の大規模転居は受け入れてくれないし、受け入れずに返すよう圧力を掛けて来る」


「俺なら受け入れて税金を払うけどね」


「それで終わったらいいんだけどな。終わらずにずっと何かしら要求される可能性がある。翌年も耕作できないんだからな」


 めんどうな話だ。でも受け入れないのは勿体無い。


「冒険者ギルドにどういう人なのか調べてもらえないかな」


「そうだな、金は取られるだろうが依頼しておこう。逃げ出した農民なら貴族に恩を売れるかもしれないしな」


 あくどい。素直に受け入れてやれよ。


 父さんがギルドに向かったのを見て、俺はソゾンさんの鍛冶屋へ行こう。温室用の魔導具を作らないと。とりあえず4棟分の魔導具を用意したい。ガラス作りは姉さんにお願いしよう。ソゾンさんには悪いけど、こちらも経費削減しなければ。

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