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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第3章 俺は魔力試験に挑む
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第52話 俺は何度も笑われる

知識量で父さんの心をへし折った翌日、朝から唐揚げを食べて俺は大満足だ。

夜中に料理長が買いに行った結果モモ肉は無くなっていたようで、胸肉と手羽の唐揚げだった。こっちも美味しいね。


朝食後の予定は母さん達が持って来た木の魔石を持って鍛冶屋に向かうつもり。今日はまだ魔石に細工はしないつもりだけど、ソゾンさんの分は早めに渡しておこうと思う。

大きな森林の奥に生息する巨大な樹木からこの魔石が獲れるらしい。

この樹木は幹に大きな魔石を作り、更に各枝に小ぶりの魔石を作るそうだ。枝を落とすだけで魔石を採取でき、樹木はまた成長を続ける。


木が歩いたり、枝や葉っぱで攻撃して来るのかと姉さんに聞いてみた。そんなに面白い木は居なかったと笑われた。

エルフが住み手入れされた森にはそういう生物は居ないとエステルさんが教えてくれた。ということは何処かの森には居るんじゃなかろうか。そんなに笑い転げる話でもないでしょ。


その姉さんはエステルさんを連れてエマさんの家に向かった。手土産に香草唐揚げを沢山持って。

今更ながら昼食前か夕食前の方が良かったんじゃないかと思う。姉さんもエステルさんも朝食をたくさん食べてたし、エマさん達も朝食後だろう。あの量の唐揚げ、誰が食べるのかな?


「ゲオルグ、一緒に鍛冶屋へ行くか?」


悲しそうな表情の父さんに誘われた。昨日の出来事がまだ尾を引いているのかもしれない。

だが断る。


「今はお腹いっぱいだから止めとく。冒険者ギルドが空いてきた頃にそっちで依頼の状況を確認して、その後に鍛冶屋に行くから、ソゾンさんに後で行きますって伝えといて。あ、お仕事いってらっしゃい」


調子に乗って食べ過ぎた感がある。ちょっとゆっくりしたい。

肩を落としている父さんを見送った後、暫くゴロゴロして過ごした。




ギルドへの道を進みながら、ぼーっと考え事をする。

水と木の魔石が手に入ったから、そろそろ魔石に使う言語を決定したい。

最近は火と水の魔法しか使えないエマさんの事で頭がいっぱいになっていた。いいかげん自分の事も考えないと。


でもちょっと心配。

もう少し魔石を頼んでおけばよかったな。

3つあれば十分だと思っていたけど、3つしかないと思うと不安になるね。

ついでにギルドの販売部で手ごろな魔石が売られてないか見てこよう。




やっぱりそう上手くは行かないね。

なかなか気に入る魔石が無かった。まあ売ってないから依頼を出したわけだし。そんなに期待してなかった。

後で船着場の親方に電撃アンコウの魔石を追加発注しておこう。直ぐに獲りに行ってもらうほどのお金は無いから、たまたま手に入ったら譲ってもらう形にするか。


他の3種の魔石はまだ届いていない。この前確認しに来たばかりですよねと受付のお姉さんに笑われてしまった。届いたらすぐに連絡してもらう手筈なのは分かっているんだけどね。




「ゲオルグ遅かったね」


鍛冶屋に着いたら姉さんとエステルさんが先に来ていた。


「香草の唐揚げは概ね好評だったよ。エマとお父さんは青のりの方が良いって言ってたけど」


エマさんと感想が一緒だったのが何か嬉しい。スススっと近寄ってくるマリーから俺は逃げる。


「今日はエステルに金属魔法を教えるんだ。手が空いてたらマリーも手伝ってね」


何食わぬ顔で俺の足を狙っていたマリーが動きを止める。了解しましたと頭を下げる。


「そう言えばエマさんが火魔法と水魔法しか使えないって聞いたんだけど、エマさんには魔法を教えないの?」


姉さんなら何も言わずとも魔法を教えようとすると思ってたけど。


「女性の秘密を簡単にばらすのは良くないよ」


姉さんに叱られた。ばらすって此処にいる皆はもう知っているはず。あー、エステルさんはまだか。

ごめんなさい、もう口外しません。


「分かればよろしい。私が魔法を教えない理由は、エマが望んでないから。無理矢理教えても意味ないよ。ヴルツェルフリーグ家から言霊解禁の許しが出たら氷魔法を教えることにはなってるけどね」


望んでないというか、もう諦めているって感じだったけど。

俺も何とかしたいと考えていたが何も浮かばない。心のどこかで姉さんなら何とか出来るかもと思ってた。


「今は魔法より料理をする方が楽しいみたいだよ。今日はお父さんと一緒に香草を研究するんだって言ってた。ゲオルグにありがとう、誕生祭の屋台を楽しみにしててって言ってたよ」


姉さんはエマさんの事をしっかり考えているんだな。欲しがっているところに手を差し出す、良い友達関係だと思う。

屋台、楽しみにしてます。


「お礼は言ってなかったよね?」


私が聞いてなかっただけかな、と首を傾げるエステルさんに姉さんが助言する。


「エステル、偶には嘘も必要なんだよ」


おおおい、嘘かよ。


まじか、姉さんに気を使われてたのか。

これは姉さんが大人になったと喜べばいいのかな?


嘘をつく前に根回しも重要ですよ、とアンナさんが指摘している。エステルさんがばらしちゃったからな。


くっそ、姉さんの嘘で舞い上がっていたのが恥ずかしい。

マリーがニヤニヤしてるし、今日はよく笑われる日だわ。

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