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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第1章 俺は異世界で発育する
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第7話 俺は誕生を祝われる

 王国歴437年5月5日、今日は俺の2歳の誕生日。


 2年間、治癒魔法のお陰で大きな怪我や病気をすることなく過ごせた。神さまありがとう。この家には神棚的な物はないんだよね。いずれ教会に行くつもりなのでその時にはしっかりお礼します。


 前世の俺はこの頃から保育園に通っていた。共働きだったからね。でも今世では、姉さんがそう言った施設に行っている様子はないから、俺も行かないんだろう。乳母も居るし、使用人も居るし、保育園があったとしても行く必要は無いか。

 でも同年齢の友達が出来ないのは、少し寂しいかな。前世では保育園からの友達が2人居たけど、そういう幼馴染って良いよね。マリー?マリーは友達っていうか、家族だから。


 そのマリーも俺より1週間ほど前に2歳になった。マリーは俺と違って、病気に罹ることが多い2年間だった。マリーの誕生日を祝おうと思って、その日のおやつをマリーに渡した。その日のおやつは普段と同じクッキー。それだけだと寂しいので、コックに無理を言って果物でジャムを作ってもらった。自分で作った物じゃないけどクッキーにジャムを付けてプレゼント、おめでとう、と言って渡した。マリーはよく分かってなかったみたい。隣でマルテが泣きそうになってたけど。


 マリーは誕生日に両親から人形を貰っていた。女の子の人形。硬い質感の人形じゃなくて、ぬいぐるみみたいな柔らかい人形で触り心地がいい。ふかふかだけど材質はなんだろう。マリーは気に入ったみたいで、四六時中抱いている。もちろん寝るときも一緒。うん、俺も一緒に寝てるんだけど、これはいつまで許されるんだろうね。




 今日は朝から晩まで沢山の人がやって来た。普段来客が少ない分、それがよく分かる。

 応接室で来客の対応をする。両親と俺。両親は今日の仕事を休んだみたい。普段は朝から忙しく出勤していくのに、今日はゆっくりしているからどうしたのかと不思議に思っているとマルテが教えてくれた。


「2歳の誕生日は大事な日なんです。家族で祝い、親類知人もお祝いに来ます」


 詳しい理由は分からなかったけど、大切な日なんだってことは分かった。


 マリーは?と聞いた。


「家の方に旦那の知り合いが沢山来ましたよ」


 そういえばその日の午前中はマルテもマリーも家に帰っていた。午後はこっちに戻って、俺とおやつを食べたんだった。俺が成長して乳母が要らなくなったら、マルテもマリーも本来の家の方に帰るのかな。他の家族はそっちの家に居るみたいだから。でも、もう俺の中では2人も家族なんだけどなぁ。




 両親と一緒に色んな人に会った。長いローブと三角帽子を身に付けた、これぞ魔法使いって人。三角じゃない角帽を被った人、こっちは学者さんかな?戦いには向かない感じの派手な鎧を身に付けた戦士、金色は戦場でよく目立つね。商人っぽい人や職人っぽい人などなど、色々な職種の人が来た。両親がどういう仕事をしているのか、全く分からなかった。

 人族だけじゃなく、エルフにドワーフ、獣人、魚人と種族もバラバラ。絵本でしか見たことがない他種族の人を見られて、俺は喜んだ。と同時に、両親の顔の広さに驚くしかなかった。


 こっちもマルテが教えてくれた。


「普段のお仕事はお父様はお城で、お母様は街の外で魔物退治や護衛です。」


 意外だった。ということはこの幅広い人々は、母さんの知り合いが殆ど?父さんの知り合いは学者だけ?


「ふふふ、お城にも色々な人が居ますよ。今日の来客にもお城で働く他種族の方がいらっしゃったはずです。それに王都以外にも知り合いはいます。でも、お父様にはその話をしてはダメですよ。気にされますからね」


 まあ明らかに、父さんより先に母さんに挨拶する人が多かったからね。そんな父さんに、知り合い少ないね、とは言わないよ。


 それにしても、王都には色々な人が居て、色々な仕事があるんだな。俺は将来どんな仕事をするんだろう。




 マリーは誕生日に人形を贈られたが、俺は本だった。子供が文字を覚える用の本だ。ありがとう、こういうのが欲しかったんだ。2歳にはまだ早いってマルテが言ってたけど、そんなことないって。いっぱい絵も描かれてるし、子供が興味を引くよう考えられているいい本だね。


 もう一つ、プレゼントを貰った。こっちは驚いたことに姉さんから。小型のナイフだ。2歳の俺にはちょっと長いけど、大人が使えば小さなナイフ。

 どうしたの?って聞いたら自分で作ったと言われた。え?凄くない?魔法でそう言うことも出来るの?

 何処からか持ってきた果物を使って試し斬りをしてくれたんだけど、スパッと切れるいいナイフだった。だったって言うのはマルテに取り上げられてしまったから。


「斬れ味が良すぎて危ないので、ゲオルグ様が大きくなるまで預かっておきます」


 と言われた。確かに危険な斬れ味だったけど。手に持たないから、見える位置に飾って欲しいと訴えた。

 今そのナイフは、鞘に収まったまま壁に飾られている。姉さんありがとう、大事にするよ。飾られたナイフの周囲を整備して神棚みたいにするのもいいな。そうなると魔法関係の物も祀りたいけど。




 誕生日の料理は今までにない豪勢な料理だった。美味しい、ありがとうとだけ伝えると、コックはホッとした様子だった。マリー、今日は色々聞いちゃダメだよ。

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