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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第3章 俺は魔力試験に挑む
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第35話 俺はギルドで恥ずかしい思いをする

 マチューさんの依頼に応えるため母さんに仕事をお願いしようと思ったら、私は高いわよと言われた。

 有名で大きなクランの一員だもんね、指名依頼料は凄い事になりそうだ。


「お金が無いから仕方ないね。マチューさんとの交渉は断念しよう。マルテ、冒険者ギルドに行くからついて来て」


「ちょ、ちょっと。もう少し粘ってよ。母さんとの交渉を楽しんでよ」


 俺が直ぐに諦めると思っていなかったのか、母さんが慌てて俺とマルテの間に割り込んでくる。

 いや、お金ほんとに無いんすよ。


「交渉しようにも手持ちが無いんだよ。またの機会にお願いします」


「お金じゃなくたっていいのよ。交渉って言うのは気合が大事なの」


 無茶苦茶な論理を突き付けてくる。なんか母さんの様子がおかしい。べたべた抱きついて来るのは普段通りだけど。


「アンナさん、母さんが変なんだけど。旅先で何か変な物でも食べたの?」


「さあ、久しぶりにゲオルグ様に会えて嬉しかったんでしょう。でなければ日の出前に出発しないでしょうから」


「仕事で家に居なくて会わないことってよくあるよね」


「今回はアリー様が一緒だったから、余計ゲオルグ様に会えないことが寂しかったんじゃないですか?」


 よくわからないけど、俺は愛されてるのを喜べばいいのかな。


「あー、俺も母さんに会えなくて寂しかったよ。おかえりなさい」


 そういって母さんにギュッと抱きつく。

 ただそれだけで母さんの機嫌が直ったようで、嬉しそうに笑っていた。




「マチューを護衛して魔石を取ってくればいいのね。分かったわ」


 ギルドから渡された通信紙を見て、母さんがそう答える。


「ほんとにお金払えないけどいいの?」


「いいのよ。息子の頼みだもの。クランの仲間を連れて行ったら依頼料も掛かるけど、私だけなら大丈夫だから。アリーはついて来る?」


「面白そうだから行く。魔導具はまた今度作れるからね」


「私とアリーとアンナが居れば大丈夫ね。マルテとジークも来る?」


「私達は別の依頼を手伝わなければならないので」


「ああ、あの子達ね。さっき玄関先ですれ違ったわ。ゲオルグの未来の部下なんだからしっかり面倒見てね」


 ため息をついて了承するマルテ。意外とエルヴィンさんもトラブルメーカーだったからな。大変だろうがもう少し耐えて欲しい。


「じゃあマチューさんに休みを取ってもらうよう連絡して来るね」


「明日キュステまで行って直接決めてくるから大丈夫よ」


「ギルドにも用事があるからついでに。急に行くとマチューさんもびっくりするでしょ。マルテ、ついて来て」


 姉さんの行動力は明らかに母さん譲りだよな。今日帰って来たのにもう明日にはキュステか。元気なのは良い事だ。




 冒険者ギルドに入るとまずは依頼の掲示板を覗いた。

 混雑はしておらず、ちらほらと冒険者が滞在している。

 もう子供の俺が入って来ても絡まれる事は無くなったな。マルテが後ろで睨みを利かせているからだろうね。


 掲示板を見ると俺が出した依頼の中で、電撃アンコウの物だけ残っている。人気が無い理由はなんだろう。依頼料安かったかな。


「すみません。電撃アンコウの依頼が掲示されたままなんですけど、何か問題でもあるんですか?」


 依頼を出した本人ですけどと付け加え、登録証を見せる。


「ああ、浅瀬ならともかく海中の魔物は魚人族以外には難しいからですね。今丁度魚人族の冒険者達が他の依頼に入ってて居ないんですよ。彼らはしばらく帰って来ないと思うので、時間が掛かると思います」


 そりゃそうだよな。水魔法が得意な人族でも、水中では魚人族に勝てないだろう。


「冒険者じゃない魚人族の知り合いが居るんですけど、その人達に頼んでも大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ。依頼を取り下げますか?」


「あ、まだ貼っといてください。相談してから出直してきます。それと話は変わるんですが、ラインハルトさん達5人組を知ってますか?」


 そういえばチーム名ってあるのかな。


「はい、4月から冒険者になった新人ですね。登録クラン名は『愛の為に』」


 は、恥ずかしい。なんて直球のクラン名なんだ。受付のお姉さんもちょっと笑ってる。

 だからエルヴィンさんもレベッカさんも教えてくれなかったんだな。もうちょっと捻ろよラインハルト。


「その人達が許可無く依頼を受けられないようにしたいんですけど、そういうことって出来ますか」


「冒険者と専属契約をしていれば可能ですが、基本的に自由な風潮でやってますから個人的な私怨等で束縛することは出来ません」


 今俺が彼らの行動を制限しようとしているのは私怨ってことになるのかな。たった今無駄に恥ずかしい思いをさせられたから、私怨には近くなっていると思う。

 周りから見ればほっとけよって感じなんだろうが、こっちにトラブルが降りかかって来なければいいんだよ。でも目を離すと何かやらかしそうなんだよな、あの人達。その結果何か被害を被りそうで怖いんだ。


「長々と付き合って頂いてありがとうございます。魚人族と相談して来ます」


 っとその前に、マチューさんに連絡しないとな。

 マチューさんの護衛を母さんと姉さんが受ける。母さんが明日日程を決めにキュステへ行く。あとは魔石の大きさと数をもう一度伝えておけばいいかな。東方伯に知られると面倒だから、姉さんの部分は削除しておこう。

 よし、通信が終わったら、船着場に行って親方に相談だ。

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