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俺は魔法を使いたい  作者: 山宗士心
第3章 俺は魔力試験に挑む
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第3話 俺は貰った魔導具を試し撃つ

「剣を握って言霊を発すると柄の内部に仕込んだ宝石が反応して、魔法が発動するよ」


 俺が剣について尋ねると姉さんはそう答えた。


「剣を握ってないとダメなの?」


「言霊だけでも魔法は発動するけど、剣先が向いている方に魔法は向かって行くから狙いを定めにくいと思うよ」


「不用意に言霊を言って魔法が暴発しないように気を付けないとね」


「一応鞘に収まっていると魔法が発動しないようにはしてるけど、気を付けた方が良いね」


「言霊が剣に届く距離ってどれくらいなの?」


「ジークが剣を持った時の、2倍の長さにした。顔から柄までの長さね。ジークより大きくなるとは思わないけど念のため長めに設定したよ」


 もう少し長くても面白いかと思うけど、後でジークさんの腕の長さを調べとかないとな。


「長剣の方は火魔法が2種類、短剣は草木魔法が入ってるんだよね。草木魔法に使う種はどれでもいいのかな」


「蔓が伸びる植物が良いんじゃないかな、カボチャとスイカでしか試したことないけどね。去年魔法を見せた時に種が魔法に反応する距離は教えたと思うけど、あれは変わってないから」


 ああ、あの時の。姉さんが種が入った袋を置いたところまで魔法が届くんだよな。覚えてないけど。

 こっちも後で調べよう。試し打ちもしておきたいし。


「それからまだ作っている途中なんだけど、ゲオルグが言ってた種を入れておく容器。形をどうするかで悩んでるんだ。ポケットに忍ばせておけるほうがいいもんね」


「布じゃダメなの?」


「私も柔らかい素材で作りたいんだけど、布は湿気を吸うから種が腐るんじゃないかって師匠が」


 そうか、種が保存しにくいと不味いよな。

 地球ならビニールとかあるけどこっちには無い。金属、陶器、ガラス、木製、布製、どれもしっくりこない。

 それなら種を一粒持っているだけでいいかな。どうせ姉さんに魔法を補充してもらわなきゃ、種をいくつ持っていても魔法は使えないんだから。あれ、魔法を込められるのって姉さんだけ?


「ねえ、魔法を込められるのって姉さんしか居ないの?」


「長剣の方の火魔法はマリーに教えてあるよ。草木の方は今の所私だけかな。氷結魔法に慣れたら草木魔法を覚えるってマリーが言ってたから、そのうち出来る人は増えると思うよ」


 相変わらずマリーは成長が早い。でも補充できるのが姉さんだけだと不安だから、是非草木魔法もマスターして欲しいな。


「補充を頼める人は多い方が良いから、マルテやアンナさんにも教えておいてほしい」


「うん、分かった。じゃあちょっと行ってくるね」


 ちょ、行動が早すぎる。


「ああ、待って待って。これから魔法の試し撃ちをしたいから庭に土人形を3体作ってから行って」


 俺が声をかけた時にはもう扉の前に居た。


「分かった、これ置いとくね」


 短く答えてダッシュで部屋から出て行った。扉の傍に袋を置いて。

 恐らく南瓜の種が入っているんだろうが、そんなに急ぐ必要無いでしょうよ。


 お昼を食べてからゆっくり試そうかと思ってたけど、俺も行くか。

 そうだ、ソゾンさんに頼んで剣を吊るすための剣帯を作ってもらおうかな。家の中を移動するだけでもめんどくさいのに、外で2本持ち歩くのは大変だからな。




 いつもの庭には剣を構えた土人形が3体並んでいた。上段、中段、下段と構えが違う土人形は、何となくジークさんに似ている。

 そしてその人形の後ろには分厚い土壁が立ち並んでいた。この分厚さが込められた魔法の威力を物語っている気がする。


 ん?

 人形の足元になんかあるぞ。


「消火用の水魔法が入った魔導具を置いておくね。腕に嵌めて鉱石を触れば腕の先に水を噴射するから」


 姉さんが書いたメモの横にブレスレット型の魔導具が2つ置いてあった。急いで書いたのか乱れた字だが、走り出した割には意外と冷静だ。

 分厚い壁に続いて消火用の水。ちょっと魔法を使うのが怖くなってきたな。


 左腕にブレスレットを一つ付けて上段の土人形に向かい、長剣を抜き構える。

 あ、重心の事を確認し忘れたな。魔法を補充してもらう時でいいか。


 事前に教えてもらっていた言霊を発する。


「業火」


 切先に小さな炎が現れ、急速に膨れ上がる。1、2。

 3と数える前に、膨れた火球が真っ直ぐ飛び出して行った。狙い通りに土人形に直撃、人形を粉砕し後方にある土壁にめり込んだ。

 火球は少し小さくなったように見えるが、めり込んだ後もぐるぐると回転しがら火球の形は維持されている。

 これは、水魔法で消火しに行かないと消えないのかな?


 熱を感じない所まで近づいて魔導具から水魔法を放出する。

 なかなか消えないな。どれだけ強力な魔法を込めたんだよ。




 ふう、ようやく消えた。火魔法も規格外だったけど、消火用の水魔法も絶対おかしい。放水が止まらないんじゃないかと思ってハラハラした。


「ゲオルグ様、お昼ご飯出来たって」


 無事に消火が終わってホッとしている俺にマリーが話しかけてきた。

 ハラハラして疲れたから、あとはお昼を食べてから試そう。

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