表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
17/41

女子生徒の悩みを聞く

あの後、女先生といけない大人の時間を過ごした僕はすっきりした表情で会議室を後にした。・・はい、嘘です。僕の妄想を現実化した世界でそんなおいしいイベントが派生する訳がない。いや、結構いいところまではいったのだ。だが、宇宙人はそんな状況を良しとしなかったのだろう。もう一押しと言うところで女先生の携帯が鳴ったのだ。


僕ならこんなシチュエーションの時の携帯など無視するのだが、女先生は真面目だからね。もしかしたら保護者からの緊急な要件かもしれないし。まぁ、大抵の保護者からの連絡は自分勝手な迷惑話が殆どらしいけど。


だけどこの時の電話は本当に緊急だった。なんと女先生の受け持つ生徒が万引きで補導されたと連絡が来たのだ!途端に女先生は先生の顔に戻る。てきぱきと用件を聞き出し生徒の元に向かったのだ。僕は臨時講師なので公式には生徒の生活指導には携われない。でも一応声を掛けてみたが女先生にきっぱり断られた。補導された生徒は大抵動揺している。そんな所に何人もの教師が駆けつけては不安を煽るだけだそうだ。


ひとり会議室に残った僕は実現しなかったエロイベントを脳内でシュミレートする。女先生には悪いが、顔も思い出せない生徒の万引き事件より儚く消えたエロイベントの方が僕には大事だ。僕はこの世に産まれる事の出来なかった可哀想なエロイベントをノートに書き出した。


ここがこうなって、その後、女先生がこうして、その結果、こうなるからそこからは怒涛の野獣タイムだっ!多分、女先生はこう反応するから僕はここで言葉責めを取り入れてその結果、こうなるだろう?そしたらこうして、あっ、ここでこうするのもアリだな。そうなると流れはこっちに向かうから、うおっ!これはエロいぞっ!くそっ、負けないぜ!こうやって反撃だっ!


うん・・、僕って馬鹿かも知れない。でも、出来は良いな。よしっ、これは清書して連載の外伝にでも載せるか!・・いや、18禁に引っかかるな。なら、駄目か。・・ところで連載の外伝ってなんだ?


さて、次の日である。何故か僕はひとりの女子生徒から勉強の相談を持ちかけられる。僕は生活指導は規約上出来ないけど勉強のことなら別だ。だけど何だか深刻そうなので人目のある学習指導室ではなく、あの会議室を使うことにした。生活指導室は女先生が万引き少年と使っていたから空いている部屋がそこしかなかったのだ。


「あの・・、実は相談したい事は勉強の事じゃないんです・・。」

女子生徒はおずおずと話を切り出す。はい、それは何となく判っていました。だから気を利かせてこの部屋を選んだんだよ。さぁ、さっさと僕に告白しな!ここは防音だっ!臆して騒いだって誰も来てくれないぜ!おらおらおらっ、さっさとパンツを降ろしな!甘美な大人の世界へ連れてってやるからよっ!・・うんっ、嘘です。この頃、僕は嘘ばかりだな。これはあれだ、突然の環境変化に思考が対応出来ていないんだな。もしくは無理やり僕の中に入り込んだなんちゃって古典教師が暴走しているのかもしれない。


「あ~、僕はゲームをたしなまないので大したアドバイスは出来ないな。」

「そんな事を相談したい訳じゃありません!」

「そうか、それはすまない。しかし、ダイエットも僕はした事がない。精々、余計に食べた分は運動で消費しろとしか言えないな。」


「先生、ふざけてます?」

「はい、ふざけてます。それが何か?」

「もうっ、人が真剣に話そうとしているのに茶化さないでください。」

「いやいや、会話は最初が肝心なんだ。デートだってまずは当たり障りのない天気の話から始めるのが良いと何かの本で読んだ事がある。」

「先生・・、それっておじいちゃん、おばあちゃんたちの交流会テクじゃないですか?先生って何歳なんです?」

「う~んっ、多分24、いやもしかしたら25かも・・。」

はい、ここいら辺の設定は未定でした。後でID辺りの情報を確認しておこう。もしかしたら35辺りかも知れないからな。


「実は昨日万引きで捕まったタカシ君って私たちのグループなんです。」

あらら、いきなり話し始めやがったよ、このアマ。うん、まぁ、そんなこったと思ったからはぐらかしていたのに・・。

「ほうっ、となると君もやった事があるのかな?」

「いえ・・、私は・・。」

言葉を濁すか・・。しょうがねぇなぁ、お前ら遊び感覚で物を盗むんじゃないよ。そうゆうのは大人になってからやれっ!そうすりゃ、お巡りさんが叱ってくれるからさ。ついでに前科も付いて人生に箔が付くぞ。


「でも、タカシ君は初めてだったはずなんです。」

「ふ~ん、なんで分かるの?」

「その・・、タカシ君にあのお店から何か取って来いって言ったの私たちなんです・・。」

あ~っ、そら分かるわな。強要かぁ、でも見返りは何だったんだ?タカシって生徒は思い出せないがそんなに自主性のない男なのか?


「何でまた、そんな遊びをしようとしたんだ?」

僕は敢えて万引きを遊びと言い換えた。ここであんまり女子生徒を責めてはいけない。萎縮して自己防衛に走るからな。そんな事は大した事じゃないぜというスタンスで接する事で油断させ、情報を全部吐き出させるのが先だ。・・と大人になった僕の影が呟いているよ。


「タカシ君ってミキに告ってきたんだけど、ちょっとしつこくて・・。それで出来そうもない事を言えば諦めるかもしれないと・・。」

あーっ、何だ、ストーカー対策か。でもそれで万引きって・・、お前ら本当に遊び感覚だな。しかし、これで大体の筋は読めた。この子も結局、タカシの口から自分たちの行為がばれるのが嫌で、なら先に喋って立ち位置を有利にしておこうと考えたんだ。つまり自首してきたのね。


「そうか、しかしタカシって馬鹿なのか?普通、そんな事を言われて馬鹿正直にやるか?」

僕は敢えてその場にいないタカシを悪者にして女子生徒の心の負担を軽くしてやる。でも、これはこの子を思っての事じゃないよ。安心させてもっと深い所にあるであろう本当の動機を喋らすためだ。いやはや、僕の影は多分生活指導の主任教師だな。大した、お手並みだ。


「うんっ、なんかタカシ君って危ない系でさぁ、でも、結構お金を持っているみたいでプレゼントとかも高いのをくれたんだよね。」

「ほうっ、なんだボンボンか。なら、親が金でもみ消すだろう。心配する事ないんじゃないか。」

「そっ、そうかなっ。そうだよね、はっきり断らなかった私たちもアレだけど、まさか本当にヤルとは思わないもんね。」

うんっ、僕がかなり簡単そうにいうので、これは無かった事になりそうだと女子生徒の口も滑らかだ。お前、万引きを強要しておいてお咎めなしな訳ないだろう。先生、君の将来が心配になってきたよ。いや、先生じゃなかった、講師だよ。


「しかし、一体何を万引きさせたんだ?もしかして貴金属や時計か?」

「えーっ、違うよぉ、ラフレシアのシュミッツだよ。」

「はぁ?」

「だから、ラフレシアのシュミッツ。女性用高級下着のブランドよ。」

「あ~っ・・。」

僕は、あまりな答えに天を仰ぐ。よりによって下着かよっ!タカシ、やっぱりお前はアホだっ!そんな場違いな店に男がひとりで行ったらマークされるのも分からんかったのか!


僕は今、生活指導室でタカシ相手に見当はずれな性に関する指導をしているであろう女先生を思い教師の大変さを実感する。やっぱり学生って馬鹿しかいないな。まっ、だから勉強させて知識を覚えさせるんだけど、こいつらいらん事しか覚えやしない。もういい、やっぱり僕には先生は勤まらんよ。本当に教師は大変だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ