表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/41

女教師の悩みを聞く

さて、学園モノと銘打ちながら全然女の子たちとの中身のない会話が出来ていない。おかしい・・、やっぱり僕の妄想と現実化した状況が折り合っていない。

そんな事を考えながら職員室へ戻ると現代国語の女先生が僕に話しかけてきた。


「タケル先生、ちょっとお話をしてもいいですか?」

「あっ、何でしょう?」

「ここじゃちょっと何なんで、会議室を借りていますからそちらで・・。」

う~んっ、僕の授業があんまりなので注意されるんだろうか?


さて、会議室である。この部屋は、外に会議内容が漏れないように防音処置が施されている。まぁ、会議室と言ってもそんなに広くはない。どちらかと言うと密談室と言った方がしっくりするくらいの小部屋だ。そんなだから先生方が一同に介するような会議には使えない。だから、男性教師が時々昼寝に使う程度だ。


そんな密室に女教師と二人っきりである。前回の妄想ならここでエロシチュエーションが発生するんだろうが、今回に限ってはないだろう。なんせ、相手は先生である。いや、先生ってきれいなんだよ?スタイルだっていいし、エロゲーに出たら絶対人気ナンバー・ワンに成りそうなくらいイケている。実際、この学校の男子生徒でこの先生をオカズにしたことのないやつはいないだろう。


でも、この先生って真面目なんだよね。いや、他の先生が不真面目と言っている訳ではないよ。そのなんと言うか一直線なんだ。おかげで授業が進まない。なんせ、生徒に判らない所なんて聞かれたら授業そっちのけで説明を始めるからね。だから生徒の間では先生への質問はタブーになっている。ただそれだと先生が不安になって質問してくるので、当番制で質問係なんつう制度を採用しているクラスまであるそうだ。


真面目過ぎてウザイんだけど、それは僕ら生徒を思っての事とみんな知っているから女先生は人気者だ。授業以外ではね。なんったって、男子生徒がからかい半分に質問した性の質問を、大真面目に3時間も相談室で説明してくれたらしい。うんっ、女先生って保健体育の学科免許も持っているんだよな。知識はハンパないらしい。知識だけならね。だって、女先生って独身だからさ。あの美貌とスタイルで男が寄ってこない訳がないのにこの歳まで独り身・・、つまり奥手なんだ。もったいない・・。


そんな先生からのお誘いである。これでエロ展開を期待できるやつは相当の猛者だな。駄目な方の。


さて、僕と女先生は小さなテーブルを挟んで差し向かいに座っている。テーブルは高さが低く、しかも天板が透明なので女先生のおみ足が良く見える。さすがに足を組んではくれないので、その奥にあるであろう天使の花園は覗けないが膝からふくらはぎはばっちりだ。


「それでお話とはなんでしょう?」

僕は女先生が椅子に座ったまま、中々話を切り出さないのでこちらから聞いてみた。

「あ、その、あれです。今日もよく晴れましたね。」

「はぁ、まぁ、そうですね。」

先生、今日は午前中は曇っていました。晴れたのは午後からです。辻褄が合いません。


「その、何と言うか・・、タケル先生にお聞きしたいことがあって・・。」

先生、それは廊下で聞きました。だからここに来たんですよね?相当、言いづらいことなのか?ハッ、もしかしたら解雇通告かっ!学園長のやろう、自分で言いづらいので女先生に頼んだのかっ!・・いや、聞きたい事があるってんだから違うか。解雇通告なら話したいことと言うはずだもんな。


「はい、僕で話せることなら何でもお話します。」

「タケル先生の授業って生徒に人気がありますよね。」

え~っ、そうなのか?というか僕は今日始めて教壇に立ったんだが・・。たった一日の結果で人気があると言われてもピンとこないんだが。まぁ、今回の設定では僕はもう半年以上この学園で臨時講師を務めているみたいだから女先生の中ではそうなってもおかしくないのか。だから僕も話を合わせる。


「そうですかねぇ、ただあまり興味が湧かない古典の授業を脱線話で盛り上げているのがウケているだけでしょう。授業指導としては赤点ものだと自覚しています。」

「でも、生徒の成績は過去に比べて上がっています。歩みは遅くとも生徒が教科に興味を持ち自ら勉強を始めた結果だと私は分析しました。」

分析かぁ、女先生ってガチガチの文系かと思ったら理系もいけるんだね。体育も資格をもっているしオールマイティじゃん。凄いな。


「いや、それはただ単に成績が悪かったやつらがちょっと伸びただけでしょう。もともと成績が良かったやつらは自分で勉強しますからね。それに古典って読むだけですから、人に教えられる受動的学習より自ら進んで取り組む能動的態度の方が合っているんですよ。」

ん~っ、現代国語を担当する先輩に説明することじゃないな。まるで釈迦に説法だ。


「でも結果は出ています。数字は嘘を言いません。」

いや、この頃は嘘ばっかりですよ?有名メーカーの出してくる数字なんて改ざんされているのが当たり前ですから。賞味期限の書き換えなんてどこでも行われていますし。いや、女先生の言わんとする事はそんなことじゃないか。


「まぁ、だとしてもそれは一過性のものですよ。今までとちょっと変わった事が起こったから興味を引いただけでしょう。云わばブームです。飽きられたらお終いですよ。その点、先生方の指導は過去の実績を踏まえたものです。云わば定石です。鉄板商品です。間違いはありません。」

うんっ、僕の言うことは正しいはずだ。所詮、流行など一時のあだ花。来年になったら忘れられている。


「そうでしょうか・・。」

女先生は相当自信を無くしているようだ。誰かにからかわれでもしたのかな。う~んっ、あの狸学園長あたりなら言いそうだな。あいつって人の権威を使って、10億の土地を1億に値切ることになんの躊躇いもなさそうだし。


「そうですよ、それに学生はずっと学園にいる訳じゃない。1年ごとに卒業して行きますからね。その学年ごとに授業の指導方法が変わるのは彼らにとってもマイナスです。前後の学年で差が生じてしまいますからね。平等こそが学園指導の根源です。あれ、そうなると僕の授業は全然駄目と言うことになるのか・・。」

僕は自分の言葉で自滅する。くっ、これがブーメランというやつか・・。


「うふふふっ、そんなことはないですよ。タケル先生は十分生徒たちに道を示しています。駄目なのは私の方ですわ。」

僕が自分の言葉でダメージを受けたため、それをフォローすることにより女先生も自分を取り戻したらしい。成程、自分より駄目なやつを前にすると自分がしっかりしなくちゃと奮起するんだな。さすがは女先生だ。普通はそこに漬け込んで憂さを晴らすもんなのに。


「いえ、僕なんかただ年が生徒と近いから同じような感覚で授業をしていただけなのかも知れない。そこには信念や愛がないんだ。ただウケればいいという一時の絶頂だけを求める最低やろうだったんだ・・。」

僕はここで戦法を変えた。女先生が持ち直したのを見て、可哀想詐欺を仕掛けたのだ。これは年上の女性には効果抜群である。うまくいけばこのまま慰めてもらえるかも知れない。勿論、性的な意味で!


「そんなことありませんわ。タケル先生はお若いのだから何事にも前向きに挑戦してるだけです。その方法を卑下してはいけませんわ。私だって若い頃は沢山失敗しましたもの。」

「そんな、先生は十分、若いですよ。生徒たちの手前、お化粧は控えめでいらっしゃいますが、ほとばしる地の美しさは隠しようがありません。」

「まっ、タケル先生は授業だけじゃなく、お口もお上手なんですね。」

「いやいや、本当の事を言ったまでです。逆に美しすぎて近寄りがたいくらいです。」

僕は、多分女先生が抱えているであろう男女関係の問題点をちらっと匂わす。


「そんな事はないですけど・・。確かに男性の方から声を掛けられる事はあまりないですわ。」

おっし!乗ってきたぜっ!このまま大人のエロ話に突入だっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ