雑誌戦争完結
「「渡さない!!!」」
「ちょ、あの客ケンカ?」
「やばw」
「コンビニでドラゴン2体ケンカなう、ハッシュタグ、拡散希望っと……。」
コンビニの床の細かい僅かな砂埃を巻き上げる2匹の龍。
彼らは精悍な顔つきでお互いの体をぶつけあっている。
「バカ!別のコンビニ行くぞ!!!」
「いやダァ〜!そーんなのはぁいぃやダァ!」
ボア・アシッドに呼ばれるものの、黒い龍は拒否している、余程たったひとつの雑誌が欲しいのだろう。
「きーさーま〜〜〜っ!!!俺が先だぁ!!!」
「うぇーーーーーんそんなことないもん!!!」
「ブラックさん!大きい龍!落ち着いてください!!!」
2人は周りが止めるのを聞かず、お互い譲らないとばかりに雑誌を手放さない。
店員はというと、焦り故なのか腕8本になっている。
外ももう薄暗い、明らかに他の客はDQNを見る目で見てる。
「ばか!!!ブラック!落ち着け、ジャンケンしろジャンケン!!!」
「「なるほど!!!!!」」
ナイスアイデア、2体はその言葉にハッとした表情を見せ、その通りに従った。
「雑誌預かってくれ店員……はパニクってるか、元の場所に……。」
「……そうだな…置いておこうや…………。」
2体はすんなりと雑誌を元の棚に戻した。
存外物分かりは良い方なのかもしれない。
「最初は……ぐー…………!!!!」
「ジャン……クェン…………。」
「「…………!!!」」
「「ポン!!!」」
2匹が出したのはチョキ。
「あいこで……!!!」
「……。」
「「ショっ!!!」」
お互いに拳を突き出した、これもあいこだ…。
「「あいこで!!!」」
2人は完全にお互いの空間に集中しており、雑誌には目を向けていなかった。
「すみません会計お願いしまーす。」
「はい、合計で856円になります。」
雑誌をサッと取ってレジに上げた龍がいた、見知らぬ龍だった、客は皆逃げたしボア・アシッドやギルン君ことギル・リヴァーも嫌な予感がして逃げた。
翌朝ボアたちがコンビニに行くと焼跡と片付けさせられる黒い龍と大きな龍が残っていた。