表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼がこの世に生まれた経緯について私が知っていることは何もない。だけど、今も彼は私の傍にいます。  作者: 大野 大樹
一章 「お化け屋敷」の住人は「お化け」ではない。
6/103

4.私たちしか知らない彼女の事情

「お家はどこ? 」

 尊に目を合わせて、優しく尋ねた孝子に、

「ないよ」

 尊はケロッとした顔で言った。

「あえて言うなら、別になくっても構わないんだ。だけど、優磨ちゃんに会えたから、ついてきちゃったんだ。‥ごめんね」

「無くってもいい? 」

「だって、ボク幽霊だもん」

「は? 」

「え? 」

 そう驚いた私たちの目の前、尊は机をすり抜けた。

「いや、ぶつかることも出来るよ? まだ下手だけど」

「‥‥‥!!! 」

 

 そうして、我が家に幽霊が同居することになった。

 

 練習熱心な幽霊が毎日、「机にぶつかる練習」「字を書く練習」を小学校にも行かずにしたものだから、私たちが小学校を卒業する時には、尊は、驚くことに殆ど普通の子供と変わらない感じになっていた。

「となると、女性ばかりの中で、男が住んでいるのも、世間体がわるい。ボクはこれから、女の子ってことにしておこう。どうせ、まあ。幽霊だ。なんてことはないんだけどね」

 ‥幽霊がそんなに明るいものだとは思わなかあった。

 まあ、そんな幽霊の常識を覆した尊以上に優磨を驚かしたのが、

「じゃあ、中学校に行かないと」

 という、母さんの一言だった。

「女の子の制服もう一枚買わなきゃ」

 ‥やっぱり、女の子なわけね‥。

「尊、お前女だったのか! しかも、優磨と一緒に住むの? 」

 大島の驚きは、仕方がない。というか、普通だ。


 尊はある日急に現れた幽霊で、‥だから、ある日突然消えたっておかしなことではない。

 だのに

 だけど

 ふっと、また帰ってくる。そんな気がするんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ