4話-1
僕には姉がいる。
今回もアレな話で恐縮だが、それは僕が受験を控えた中3の1月頃に起こった。
その時姉は花も恥じらう高校2年生、立派な(?)JKである。
ちなみに興味ないかもしれないけど、姉の高校はセーラー服じゃなかった。ブレザーでもない。元が女子高だったこともあり、当時70年前から変わらないというそのアンティークなデザインは何とも言えない微妙な制服だった。
僕の通っていた中学もセーラー服なんて気の利いた(?)ものじゃなかった。
いや・・・そんな制服事情なんかさておいて、話を進めよう。
僕の住む田舎は県の北部に位置していたので、冬ともなればそりゃあ寒かった。まぁ、寒いと言っても北海道や東北の人からしてみれば鼻で笑われる程度なのかもしれないけど、こちとら正月くらいしかその寒さを味わったことがなかったCity Boyだったんだから、しょうがない。寒いもんは寒い・・・坊主になったんだから特に頭が寒いのだ。雪も割と降る方だし。
朝起きてリビングでストーブの前を陣取って野菜ジュースを片手にぼんやりしていると、母屋の方がなんとなく慌ただしい。何だろうなぁと思っていると母屋と繋がる内線が鳴った。
洗面所から身支度を整えた姉がパタパタと走ってきてそれを取る。姉は2~3言喋るとサッと顔色を変えて台所の母を呼んだ。母は「なーにー?」とちょっと間延びた感じで返事していたが姉の通常ならざる様子に慌てて手を洗ってカウンターの向こう側からやってくる。
「お祖母ちゃんが倒れたみたい!」
その声に僕もコップをテーブルに置くと3人で玄関から飛び出した。
冬の朝の空気は冷たくて急に入って来た空気に肺が驚いたのか一瞬咳き込みかけたけど、それを飲み込んで隣へと急いだ。
祖母は・・・数日前から頭が痛いと言っていた。もともとそれほど体が強い方ではなかったがここのところの頭痛は本当に酷かったようで、母に薬を買ってきてもらったりしていた。来週には病院へ行く予定で予約も取っていたはずだった。
祖母自身は冬だったこともあり、風邪を引きかけているんだろうからと受験を控えた僕には母屋の方へは近寄らないようにと微笑んでくれていた。
母屋の玄関から飛び込むと祖父が119に電話を掛けていた。祖父の奥、廊下にあるはずのない足が、横たわった祖母の足が見えて、僕は喉が引きつる。母と姉は青い顔をしながら、祖母の方へと駆け寄り「お祖母ちゃん!!」と悲鳴にも似た声を上げた。
しばらくぶりです
ちょっと忙しくて時間が取れませんでした
4話を始めますので、お付き合い下さると嬉しいです