1話-1
僕には姉がいる。
ここで姉の容姿についていくつか
色白で、猫っ毛でふわふわとした栗毛のロング、全体的に色素が薄いのか目も鳶色だ。
ちなみに僕も姉に「日に翳すとキラキラときれいな茶色の髪」と言われていたが、まぁそれも今は昔。当時は漢気溢れるボウズだ。悲しくなんかない。見回せばみんなボウズだし。
家系だろうが背は高い。当時は僕よりも高かっただろう。いや同じぐらいだったかな?中3にはもう抜いていたような気がするし・・・
とにかく、一般女性と比べても背は高かった。体重なんかは知る由もないが、別に痩せても太ってもいないと思う。痴漢によく合っていたようなのでスタイルは良かったみたいだけど。
顔?顔は普通?だと思う。
目は僕と違って大きかったけど、目の覚めるような美人とかではなかった。
美人ではなかったが愛想は良かった。愛想が良いので大人皆に好かれていた。家族や祖父母はもちろん叔父や叔母など親戚筋、近所の大人にも好かれていた。
祖父母にとっては一番最初の孫だったし、ウチの両親が長男長女での結婚だったので叔父や叔母も初めての姪っ子にはメロメロだったようだ。
愛情も期待も滝のように浴びて育ったに違いない。
弟の僕が産まれても、僕の方が小さいが故の優先事項(ご飯や排泄などの生命活動)以外で優先された記憶はそれほどない。
「お姉ちゃんなんだから」と言われたこともあるだろうが、それほど多くなかったと思う。
なぜなら優先されなくても、姉はおやつやおかずなど僕が欲しがれば、必ずそっちをくれた。もちろんケンカもたくさんしたが、姉は僕を可愛がっていてくれていた。
そんな感じで育っていたら当然ながら幼稚園児の僕はお姉ちゃん子になっていた。遊びに行く姉の後をとにかく付いて回っていた。
いつもはまだ足の遅い僕を待ってくれつつ遊んでいたのだが、その日は違っていた。
続きます