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アルチンゲェル   作者: 太郎
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回復魔法が無い異世界に看護の大切さを!

初なろうです!


文章をかくのも始めてですが、良ければ暇つぶしにどうぞ

「仮眠とっておいで〜」

「助かりますぅ」

緊急のオペが続いて、かなりしんどかったけど少し休めるな!などと考えて、欠伸をしながら仮眠室で携帯のアラームをセットして目を閉じれば疲労からか、数秒後には眠っていた。



夢だろうか?辺りから爆発するような音、金属がぶつかり合う音、悲鳴や雄叫びが聞こえる。


ドサッ!不意に体の上に何かが倒れて来て鈍い痛みと共に目が覚めた。


「いったぁー!何ですか?こっちは仮眠してるってのに?」


寝惚け眼で、倒れて来たナニカに触れると生暖かくドロっとした感触があった。オペで触れたことがある感触とかなり似ていたが、まさか本物とは思わず、手に付いたモノを見るとオペで見慣れた血液であった。


寝惚けていた頭がサッとクリアになり、その血液の主を見ると、マンガやアニメとかで見たことのある鎧を身に纏った筋骨隆々の大男であった。


仮眠を取っていた筈が、周りは平原で同じ様な鎧を身に纏った者たちが、剣や槍を振るい手から炎や雷を出して戦っているという訳の分からない状況でパニックにはりそうだったが、目の前の男を助けたいという気持ちで、呼びかけながら、全身の観察を行った。


「大丈夫ですか?!意識はありますか?」

目の前の男に呼びかけると言葉にならない呻き声が返ってきた。出血の原因を探すとすぐに右肘から下が無くなりかなり出血していることに気が付いた。


「大丈夫ですからね!すぐに血を止めますからね!」


自分の服から、ハンカチを取り出し、右腕の力こぶの辺りに巻きつけ、胸ポケットのボールペンをハンカチと結び、ボールペンをグルグルと回しながら、緊縛止血を行うとどうにか止血が出来たようであった。


「良かったぁ、取り敢えず止血出来た!」


安堵と共に、現在の止血では心許なかった為、他に利用できそうな物を探しながら、男のバイタルを確認していると不意に後ろから、この様な戦場には似つかわしくない、可愛らしい女性の声が聞こえた。


「うちの兵士に何をしているんだ!」


後ろを見ると何人かの女性騎士に囲まれた、普段見ることのない金髪の可愛らしい少女が馬に乗りながら、鋭い眼差しでこちらを見ていた。


「彼は右腕が無くなっていたので、血を止めていました!」


かなりヤバいと思いながらも、自分は間違ったことはしていないと真剣に答えると。彼女から怒声が飛んできた。


「傷口を覆っていないのに血が止まるわけないでしょ!それにあなたは私の国の人間じゃないじゃない!」


鎧を着ていることから、同じ文明の人間ではないと思ったが、医療についてはかなり遅れていることに気が付いた。


「血は血管という所を流れているので、怪我の場所より心臓に近い場所を絞めれば、血は止まるんです!」


金髪の少女は怪訝な顔をしながら

「血管?あなた異国の医者かなの?」

「まぁ、良いわ!敵は引いたけど、ここじゃ危ないから一緒に来てもらうわね!」


良く分からない相手に着いて行くのは不安ではあるが、戦場でいるよりはマシと思い着いて行こうと考え、金髪の少女に向かって訊ねた。

「わかりました、行きます。でも、お嬢さん、どうして良く分からない僕なんかを助けてくれるんですか?」


少女は呆れた顔をしながら答えた。

「良く分からないからに決まってるからでしょ?見た所、奴らの国の人間には見えないし、なんと言っても私達の知らない医療の知識を持ってるしね!」

「それと私はお嬢さんじゃない!ツェツィーリエ・アウグステ・マリー・フォン・メクレンブルクよ!」


ドヤ顔で少女が名乗り、周りの騎士達も恐れ入ったか!という雰囲気を出していたが、名前も長いし良く分からなかったので、略してこたえた。

「わかりました。ツェツィさんですね!」


答えた途端、女騎士が目の前にきて腹部に強烈な衝撃を受けてひっくり返った


「略すな!それに様を付けろ!ツェツィーリエ様を知らないとはどこの田舎者だ!」


女性の力とは思えない、腹部に貰った拳の痛みに悶絶しながら謝った

「ずみまぜん」


すると笑いながら、ツェツィが言った。

「ふふっ、ツェツィで良いわよ!あなたがどこから、来たのかも知らないけど、取り敢えず陣地まで下がりましょ!」


メイド服に鎧がくっ付いた変な服装の女の子に対して

「ヴィルマ、彼をあなたの馬に乗せてあげて」


「了解しました姫様!」

メイド服に鎧がくっ付いた変な服装の女の子に荷物でも担ぐように、馬に乗せられた。


姫様と言われたツェツィがすぐに訂正した。

「ヴィルマ、私は姫じゃないわよ、ツェツィーリエでしょ?」


するとヴィルマは、元気に「はい!」と答えた。


「じゃあ、行くわよ!」

ツェツィが命じて、集団が動き始めた。


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