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短い上に時間も遅いとなって申し訳ない限りです。
それでも楽しんでいただけると幸いです。
二人無言のまま廊下を歩く。
歩いている間にも、何度意識が明滅しただろうか。
それでも歩き続けた。
どこに行くべきかは頭ではなく、体が理解していた。
だから、本能のままに足を前に、前にと、出し続けた。
たどり着いたそこは、いつかのあの場所であった。
そこに着いて初めて彼女は、口を開いた。
「どうして急に呼び出したの?」
彼女のくちから発せられたその言葉は、単純な疑問というよりも、訝しいものごとについて尋ねるという様子で発せられた。
「それは....」単刀直入に言おうと学校に来る時は思っていたが、案外難しいものだなと、なぜか分からないが冷静でいられた。
体の具合が悪いのも、今は気にせずにいられた。
このまま勢いでいこうそう決めた。
「それは、佐伯さんの事情も知らないで佐伯さんの夢をつまらないことだと思ったことを一言謝ろうと思ったんだ。ごめん。」
すると彼女は、佐伯さんは困った様に少し笑うと、
「いいよ、そんなの。」そのまま彼女は続ける。
「じゃあ私がもうすぐ入院して手術を受けなきゃいけないことも知ってるよね?」
その言葉に俺は少なからず衝撃を受けた。
そのせいか「手術のことは知らなかったよ。」
そう答えるのが精一杯であった。
「仕方ないよ。誰にも教えてないんだから。」
寂しげにそう呟く。
「私、今日これから早退して入院の準備をしなくちゃいけないんだ。だから、バイバイ。」
そう言って彼女は去って行った。
そして俺は、今までの体への負担に押しつぶされ、糸が切れた人形のように、その場に倒れた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
多分もうすぐ完結するのではないかと思います。
次回は投稿する詐欺にならないように日付だけ決めときます。
次回は来週の土曜日の夜予定です。
また、誤字脱字等ありましたら報告してください。