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相変わらずの下手な文章ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
走る、頭痛も気だるさも何もかもを振り切ってただただ走る。
自らの目的を果たすために。
そこで思い出す。今の時間は学校に行っているであろうことを。
欠席と連絡したが仕方ないとそう思いながら一度家に帰り、制服に着替えると決め、家目掛けて全力で走ったーそれこそ小学生の低学年の頃の持久走にて全力で1位を狙いにいくかのように必死に。
そうして家に着いた時には、
はあ、はあ、
とすっかり息が上がっていた。
その後は家に帰ったその勢いのまま、制服に着替え、定期を持ち、水で喉を潤すと、カバンも持たずに外に飛び出した。
そしてまた走る。ただただ無心で。何度も意識が飛びそうになった、何度も、もうやめて家で休みたいと思った、何度もこのままこの冷たい地面に横たわることが出来たらいかに楽になれるかと思った。
しかし、そのたびに、言いようの無い使命感が、俺の足を前に押し出す。それがどこから湧いてくるのかは分からない。どうしてこんなにも苦しい思いをしながらも走ることが出来ているのかも分からない。それでも、どこかから湧いてくるこの使命感に従って走る。そうして駅に辿り着いたのは、家を出てから5分後のことであった。
電車から降りた後も走り続けた。自分の苦しみを押し殺して。
どれくらい走っただろうか、もう限界だというところでようやく学校の門に辿り着いた。ここで思い出す。彼女の、佐伯さんのクラスを聞いていないことを。
「乾、欠席と聞いていたが大丈夫なのか?」
後ろから声をかけられる。緩慢な動作で振り向くーきっと立ち止まったことで疲れが一度にやってきたのだろう。後ろにいたのは、果たして担任の先生であった。丁度いい。息を切らしながら尋ねる。
「先生、佐伯さんのクラスって知ってますか?」
言葉のドッジボールとはこのようなものを指すのだろうなどと考えながら尋ね返す。質問に対し、先生は
「彼女のクラスなら5組だが、お前本当に大丈夫なのか?」
ありがたく答えてくれた。
「体調は大丈夫です、急いでいるんで、俺もう行きますね。」
「あ、おい」
先生がこちらを止めようとするのも、体の節々が悲鳴を上げて、もう休ませてくれと叫ぶのも、全てを無視して再び走り出す。
これやばいやつだ。走り始めたときにそう直感したが、もう今更止まることはできない。そのまま体が悲鳴を上げるのも、後から教師が追ってくるのも無視してただただ5組を目指した。
誤字脱字等の報告があったらして頂けるとありがたいです。
来週は忙しいので、次回は来週の土曜に投稿できるか分からないです。それでも、遅くても再来週の土曜には投稿します。