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相変わらず下手な文章なうえ面白くもない話ですが、読んでいただけると幸いです。
俺が困惑している間にも、少女はさらに続ける。
「駅の近くにある喫茶店でいいですか?」
そう問われ、どのように断ろうか、ということを第一に考えていた。そもそも先の状態だって俺が関わらなくとも放っておけば彼女自身がなんとかできたことだ。そうであるのに、お礼をしてもらうのもお門違いというものだ。用事があると言って断ろう。そう決心した時、手首を掴まれる感触を感じた。そして、少女は
「それでは行きましょう。」
と言うやいなやこちらの手を引いていた。
ああ、この人は人の話を聞かない人なんだな。それが少女への第一印象であった。
そうして少しの間手を引かれるままに歩くこと数分間。
「着きました。」という声に顔を前に向けると、喫茶店というよりはファミレスではないかというような建物が目の前ひっそりと建っていた。駅の側にこんな店があったのかと思う間もなく店の中に連れ込まれた。
「いらっしゃいませ」という言葉とともに店員らしき人が駆け寄ってきた。そしてよくある何人か、禁煙席希望かそうでないかなどの受付を済ませると、席の方へ案内された。
「先程はありがとうございました。」注文が終わるやいなや少女は感謝の言葉を述べた。どう返事をしたらいいのか分からずに戸惑っていると、「私のミスだったのに、何も言わずに手伝ってくれた人は初めてなんです。」
「ミス?」と思わずそう聞き返してしまう。
「はい、実は今日体育の後急いでいて体育館シューズのまま戻ってしまって...」そう答えてあとは分かるなとばかりに黙ってしまう。最初に見かけた時困っていたように見えたからいじめではないかと思っていた。だから少女の話を聞いて時間を無駄にしたとそう思った。しかし、そう思う一方でいじめではないと分かり、少しだけ安堵もしていた。
その後はしばらくの間、あの教師がどうだとか、クラスにいる誰それがなんだとか、そんなとりとめのない話をした。徐々にお互いの距離も縮まり、気がついたときには互いの口調もすっかり砕けたものとなっていた。そうして会計を済ませて外に出ると、外はもうすっかり暗くなっていた。
駅まで歩いている最中に彼女は思い出したように、
「そういえば、まだ自己紹介してなかったね。私は佐伯 未来です。改めてよろしく!」
とそう言ってきたので返事をしないのも悪い。そう思い、
「丁寧にありがとう。俺は乾 真司。こちらこそよろしく。」
その後は駅まで特に何もなくたどり着いた。
すると彼女は突然こちらを向いて、「明日一緒に学校に行かない?」
そう有無を言わせない勢いで尋ねてきた。その勢いに押され、
「あ、ああ」と、そう返事をしてしまった。彼女はその返事に対し満足したように笑顔を作り「それじゃあ朝8時にここ集合ね。」とだけ言うと、時計の方を見て「もう電車来るからまた明日。」とだけ言い残して、行ってしまった。
本当に勝手なやつだ。と改めてそう思う。
ふと空を見上げて、そして帰路につく。
空には星が煌々と輝いていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
気になったところがあったら指摘していただけると嬉しいです。
来週は少し忙しいので、次回は来週か再来週の土曜日の夜9時になります。