第39話:覚醒
■――接触――
「さあ、楽しみましょう。ナイトさん?」
メイオクと名乗った女は、楽しそうにヒロシに言った。
ヒロシは、横目でうずくまって動かないクロアを確認しようとする。その時、
「あら、余所見は駄目よ。今は、私だけを見て?」
「くっ・・・」
いつの間にか、メイオクはヒロシの目の前まで来ていた。
ヒロシはあわてて距離をとろうとしたが、ぴったりとついてくる。
「逃げるなんて、つれないわねぇ」
「チッ・・・」
ヒロシは、翼をはばたかせて空へと逃げて、メイオクに光のムチをたたきつけた。
(当たった感触はしたけど・・・)
大きく、上がった土煙の中にいたのは、ただの瓦礫の山だった。
「なっ・・・」
いつの間にか、メイオクはルクマに狙いを、変えていた。
ヒロシは、止めに入ろうとするが間に合わないのは、一目瞭然だ。
「畜生・・・」
ヒロシは思った。
(また、守り切れないのか)
あの時の、光景が鮮明に脳裏に浮かぶ。
「また、傷つけるのか・・・」
メイオクの鎌が、ルクマの首に狙いをつける。
「ふ、ざけるな・・・・」
メイオクは、大きく振りかぶり次の一瞬でルクマは死んでしまうだろう。
「もう、傷つけさせねぇ!力をよこせ、俺の影!!」
次の瞬間、空中に跳んでいたのは、ルクマの首ではなくメイオクの体だった。
「ぐっ・・・」
苦痛に、顔を歪めて空中に舞ったメイオクは受身をとり、地上に着地する。
目の前には、あの少年。
ヒロシに、止められた事を即座に理解して、鎌を構えなおす。
「やってくれるわね」
黒い翼の生えた背中を見せて、たたずむヒロシに声をかける。
(やっと面白くなってきた)
そんな、単純な考えをしていたメイオクが見たものは、さっきのヒロシとは別人だった。
「なっ・・・」
彼の両目は血をこぼしたように、真っ赤で、顔には紋章がたくさん浮き出ていた。
「なんなのよ。それ」
「…コロス」
そう、くぐもった声で、メイオクに告げた
どうしようか、悩みまくりです。
もしかしたら、リメイク版を出しますので。
そのときは、どうぞよろしくお願いします。
by作者
ヒ:俺たちどうなるんだ?
ミ:さぁ?
作:もしかしたら、いなくなるかもね。
ヒ・ミ:ええーーーーーーー!