第29話:その後
■――その後――
「あっ」
「・・・」
時間の戻った二人は、愕然と辺りを見渡した。
「あいつ・・・」
森本は静かに、耳元でつぶやかれたあの言葉を思い出していた。
「じゃあな」
その言葉だけが、森本の耳にこびりついていた。
(確かに、俺はあいつの手を・・・握ってたんだよな)
森本は、そう考えてまだぬくもりが残る手を強く握り締めた。
「おにい・・ちゃん?」
渚は、さっきまでヒロシのいた場所の影にすがるように、ゆっくりと門から出てきた。
その表情は、今にも崩れてしまいそうで・・・
「渚ちゃん・・・」
森本が気を配りながら声をかけると、渚はなにか小さくつぶやいた。
「え?」
「いき・・・てた・・」
そういって、森本に向けた表情にはぽろぽろと涙が流れていた。
「森本さん・・・おにいちゃん・・・生きてましたよ・・・」
そういって、自分で自分の肩を抱きしめ始めた。
「よかった・・・。よかったよ・・・」
森本はその様子を見て、その手を離してしまった自分の不甲斐なさに、怒りを覚えていた。
「また、お兄ちゃんと会えますよね・・・。森本さん」
そう問いかけてきた渚は、笑っていた。
断れることは、絶対にないと信じているように・・。
「う・・・うん」
森本は静かに夜空を見上げた。
(弘、絶対、連れ戻して見せるからな・・・)
そう、月夜に向かって誓うのだった。
マー:ふふふ、今回はミフィリアの過去よ
ミフィ:よろしくお願いします
マー:ミフィリアは、昔はダメダメ少女で
ミフィ:そうですねぇ
マー:・・何もないところで転んだり
ミフィ:ふんふん
マー:だから、私が世話役として・・
ミフィ:おおー
マー:ねえ、なんか張り合いがないんだけど
ミフィ:なんでですか?
マー:少しは羞恥をみせてほしんだけど
ミフィ:だって恥ずかしがることないじゃないですか
マー:そうかもしれないけど・・・
ミフィ:でも、もう終わりですよね
マー:まあね・・・
ミフィ:それではまた、今度
マー:なんか、ふに落ちないわねぇ