第18話:Yミッション・始動
■―――Yミッション―――
今回のミッションは、アメリカの郊外の廃墟と化した町でのミッションだった。
数日前、そこにシガール反応があり、
ミーズ階級の団員を二人向かわせたのだが急に連絡が取れなくなり、
今回はその確認と加勢が目的だった。
「ふー、着いたー」
伸びをしながらリングが言った。
やっとアメリカに着いて3人は一息ついたところだった。
そこは、本当に廃墟のようで、人は誰もいなく何も音がせず、
不気味な雰囲気が漂っていた。
「不気味なところやねぇ」
アリアがヒロシのポケットから不安げな顔を出していた。
ヒロシは周りを確認しながら、
「そうだな」
と短く答えた。
ビーズは、ポケットからウィッチトゥールを取り出し、
「誰もいないのでミストもう張ります」
と言って、ミストを張った。
リングはそれを確認して、手をパキパキと鳴らし、
「よっしゃ、いっちょやりますか」
と言って背負っていた大きな刀をかまえた。
すると、ビルの間の細い路地裏から、あの花のシガールが二体現れ、
3人に向けビームを放ってきた。
「うわっ」
3人はあわてて近くにあった看板の後ろに隠れたが、
シガールはお構いなしにビームを立て続けに放っていて、
出ようにも出られない。
「あれが、今回のミッションのターゲットですか?」
とヒロシがリングに訊いた。
リングはシガールの様子を伺いながら、
「あとは二人の行方の確認だな」
と珍しくまじめな顔で言った。
すると、ビーズが背中の弓を取り出した。
しかし、ビーズの手元には矢が無かった。
「ビーズ、矢が無いけど、どうするんだ」
ヒロシが首をかしげていると、ビーズは深いため息をついて、
「一応、僕も団員の一人なんですよ」
と見下した笑いをして、シガールをにらんだ。
すると空間から2本矢が出てきて、
ビーズはそれをつかむと、
看板から飛び出した。
「ちょっ・・・」
あわてて止めようとしたヒロシをリングが止めて、
「まあ、見てな」
とにやりと笑った。
シガールは物陰から飛び出たビーズを目標にして集中的にビームを放った。
ビーズは、それをかわしながら矢を放った。
その矢はまっすぐに2体のシガールに当たり、静かに消えていった。
ヒロシとリングはそれを確認すると立ち上がって、
「ヒュー、さすが、ビーズだな」
とリングは口笛を吹いて言った。
ビーズは得意げにヒロシを見て、
「どうですか?」
と言った。ヒロシは少し渋い顔をして、
「よーく、分かりました」
と両手を挙げて降参のポーズをとって、ビーズのほうを見た、
すると、ビーズの後ろにまた花のシガールがビーズを狙っていた。
ヒロシは空間から剣を取り出してビーズのいる方向に思い切り振った。ビ
ーズは、とっさに体をずらしてかわし、ヒロシの剣から放たれた剣撃は、
シガールを真っ二つに切りふせた。
ビーズは唖然として消えていくシガールを見て、
その後、ヒロシをにらんだ。
ヒロシは剣を空間に戻して、
「あんまり、俺を見くびらないでほしいね」
と勝ち誇ったように少しビーズ風に言った。
ビーズはにらみながら立ち上がり服についたホコリを払うと、
「次は相手のことも考えてほしいね」
とにやりと笑った。
「すいませんね」
ヒロシも笑いながら言った。
リングはその様子を楽しそうに見ていが、
しかし、ピクッと体をこわばらせて、
二人を物陰に押した。
そして、二人の口をふさいで、
「静かに」
と暴れていた二人を静かにさせた。
すると大きな目玉のようなシガールが数対現れて、
周りを見渡し始めた。
リングはその様子を伺って、小声で、
「おかしいな。シガールは協力なんてしないはずなんだが・・・」
と真剣に様子を見ていた。
すると、アリアが胸ポケットから顔を出して、
「今までの記録に、そんな事は一度もないと出ました」
とつぶやいた。
リングはそれを聞いて、明るい顔になって、
「そんな事も分かるのか」
とアリアに顔を近づけた。
アリアは小さく悲鳴を上げてすぐに顔を引っ込めて、
「頑張ってください」
と黙ってしまった。
そして、3人が顔を見合わせて、
「じゃあ、中央突破と行きますか」
リングがそう言って、物陰から飛び出していった。
ビーズはその様子を見て、矢を空間から取り出し、
「行きますよ。ヒロシさん」
と笑った。
「おう」
ヒロシも笑い返し、リングの加勢に向かった。
マー:さあ今日は、ミフィリアの紹介よ
ミフィ:なんか、楽しそうですね
マー:あたりまえよ。私の親友ミフィリアだもの
ミフィ:そうですか
マー:じゃあ、早速、年はいくつ?
ミフィ:38です
マー:そんなには、見えないのよねぇ
ミフィ:そうですか?
マー:そうなのよねぇ。なにか秘けつあるの?
ミフィ:そうですねぇ、よく眠ることですかね
マー:そんなこといって、よく残業してるじゃない
ミフィ:そ、そうですか?
マー:そうよ、じゃあ次に好きなこと
ミフィ:成長していく、若い方を見守ることですかね
マー:うわっ、あなた母親?!
ミフィ:なんでですか?
マー:そういうところが、寛大なのよねぇ
ミフィ:そうですか?そういえばあなたの事は・・
マー:へ?
ミフィ:あなたのことを紹介する人がいませんね
マー:いや、別に私は・・
ミフィ:次回はあなたのことを紹介しましょうね
マー:そんなー